2025年6月のWindows UpdateでPCが起動しなくなるメーカー一覧。原因はBIOS破損でほぼ確定。復旧方法は [Update 11]

WindowsUpdate

Windows Issue

2025年6月(以降)のWindows Update後にPCが起動しなくなったとの不具合報告が多数出ています。本記事では、この不具合の影響を受けるメーカーおよび製品をまとめています。

更新履歴 [記事初公開日: 2025/6/17]
① マウスコンピューターから本件に関する公式発表がされました。それに伴い、マウスコンピューターの内容・リンク先を改訂。 [2025/6/17]
② Gigabyteとマウスコンピューターが復旧方法を公開しました。その旨、記事に加筆・改訂。 [2025/6/18]
③ メーカー一覧にエプソンを追加。 [2025/6/18]
④ エプソンが修理対応を開始した旨を加筆。Microsoftが本不具合を認めた旨を加筆。メーカー一覧にThundeRobotを追加。『復旧について2』を記事下部に加筆。 [2025/6/19]
⑤ 『不具合の原因は』項目に不具合の影響を受ける更新プログラムを追加、内容を改訂。 [2025/6/20]
⑥ MicrosoftがSurface Hub v1の対処方法についてアナウンスした旨を加筆。 [2025/6/23]
⑦ Gigabyteの項目に自作PC等の普通のマザーボードは影響を受けない旨を加筆。 [2025/6/24]
⑧ 富士通の項目に予防BIOS公開予定日が発表された旨を加筆。 [2025/6/25]
⑨ 『不具合の原因は』項目の影響を受ける更新プログラムに、2025年6月25~27日に配信されたプレビューリリースを加筆。 [2025/6/27]
⑩ 『不具合の原因は』項目の影響を受ける更新プログラムに、2025年7月9日に配信されたセキュリティ更新プログラムを加筆。 [2025/7/9]
⑪ 起動不能になるメーカー・製品にパソコン工房および対象製品を加筆。 [2025/7/14] [New]

2025年6月(以降)のWindows Update後にPCが起動不能になるメーカー・製品 [2025/7/14] [New]

2025年6月のWindows Update後、PCが起動しない、Windows11 / Windows10が起動しないといった報告が多数出ています。特に影響を受けているのはGigabyteと富士通の一部製品ですが、これら以外のメーカーでも報告が出ています。

2025年6月のWindows Update後にPC (Windows11 / Windows10)が起動しなくなったとの報告が出ているメーカーおよび製品は以下。(各メーカーごとの詳細な型番情報はリンク先をご一読ください)

  • パソコン工房 [2025/7/14] [New]
    • 15FH125、15FX153、16FX154、17FR172 、17WR174、15FH127、15FX155、16FX163、17FX153、14FH124、15FH128、15FX161、17FG180、17FX162、15FH122、15FR171、15FX164、17FH122、15FH123、15FX152、15WR173、17FH126、17WG181、17WG191 (ノートPC)
    • 対策BIOSをすでに公開済み。対処方法等の詳細は上記パソコン工房のリンク先をご確認ください
  • Gigabyte
    • G5シリーズ、G6シリーズ、G6Xシリーズ(ノートPC)
      • Gigabyteが復旧方法を公開しました。詳細はこちらの記事をご覧ください
      • Gigabyteによると、自作PC等の普通の同社製マザーボードは影響を受けないとのこと。(あくまで影響はノートPCのみ) もし、今後、万が一影響が出てきたとしてもQ-Flash Plusで簡単にBIOSを元の状態に戻せるとのこと
  • 富士通
    • ESPRIMOシリーズ、CELSIUSシリーズ(2015~2016年発売のデスクトップ、ワークステーションPC)
      • 富士通が不具合の発生を防ぐ(予防する)BIOSの公開予定日を発表しました。BIOSはあくまでも発生を防ぐもので、すでに起動しなくなったものを復旧するものではありません。まだ、2025年6月のWindows Updateをインストールいない環境向けのBIOSです。影響を受ける製品をお使いの方はBIOSを適用することで、2025年6月のWindows Updateをインストールしても、起動不能に陥らなくなります。詳細はこちらの記事をご覧ください
  • マウスコンピューター
    • mouse A5 / B5 / F7 / K5 / K7、DAIV S4 / R6 / 4N / 5N、MousePro C4 / G4 / L5、G-Tune E4 / E5 / P5 / P7 (ノートPC)
      • マウスコンピューターが不具合の影響を受けたPCを修正するBIOSを公開しました。詳細はこちらの記事をご覧ください。
  • Clevo / Sager
    • NP70RNJS、NP50PNJ、NP70PNJ、NH50AC (ノートPC)
  • ThundeRobot
    • 製品名不明
  • ASUS
    • X550VX (ノートPC)
  • Microsoft
    • Surface Hub v1
      • 原因は2025年6月11日に配信されたWindows10用KB5060533で確定。日本時間で2025年6月17日に、Surface Hub v1環境にはKB5063159が配信されました。KB5063159はこの不具合が発生しない代替更新プログラムです。(すでに不具合が発生しているPCを直すものではありません。不具合の修正方法はまだ案内されていません)
      • Microsoftが本不具合の対処方法をアナウンスしました。詳細はこちらの記事をご覧ください。
  • エプソン(EPSON)
    • Endeavor NA710E、Endeavor NA711E
      • エプソンが修理対応を行うことを発表しました。詳細はこちらの記事をご覧ください。

筆者が調べた限り、上記メーカー製PCでPC / Windowsが起動しなくなったとの報告が出ています。あくまで筆者が調べた限りなので、上記以外のメーカー・製品でも影響を受けるかもしれません。

不具合の原因は

Windows Updateにより、PCのBIOS / UEFIが破損したものと考えられています。また、Microsoftは、2025年6月のセキュリティ更新プログラムに起因していることを認めました

本不具合の影響を受けるOSおよび更新プログラムは以下。(※Windowsの更新プログラムは累積されるため、2025年6月11日以降に公開されたすべての更新プログラムが本影響を受けるものと考えられます。何も対策をしていないと、更新プログラムのインストール後にPCが起動しなくなる恐れがあります。(Microsoftがサイレント修正していない限り) 上記該当PCをお使いの方はメーカーWebサイト等を見て対策BIOSをインストールしたり、対策がわからない場合は対応をメーカーにお問い合わせください)

  • Windows11 24H2
    KB5062553 (2025年7月9日公開 セキュリティ更新プログラム)
    KB5060829 (2025年6月27日公開 プレビューリリース)
    KB5063060 (2025年6月12日公開 セキュリティ更新プログラム)
    KB5060842 (2025年6月11日公開 セキュリティ更新プログラム)
  • Windows11 23H2
    KB5062552 (2025年7月9日公開 セキュリティ更新プログラム)
    KB5060826 (2025年6月27日公開 プレビューリリース)
    KB5060999 (2025年6月11日公開 セキュリティ更新プログラム)
  • Windows10 22H2 / 21H2
    KB5062554 (2025年7月9日公開 セキュリティ更新プログラム)
    KB5061087 (2025年6月25日公開 プレビューリリース)
    KB5060533 (2025年6月11日公開 セキュリティ更新プログラム)
  • Windows10 1809 (Windows Server 2019 / Windows10 Enterprise LTSC 2019等)
    KB5062557 (2025年7月9日公開 セキュリティ更新プログラム)
    KB5060531 (2025年6月11日公開 セキュリティ更新プログラム)
  • Windows10 1607 (Windows Server 2016 / Windows10 Enterprise LTSC 2016等)
    KB5062560 (2025年7月9日公開 セキュリティ更新プログラム)
    KB5061010 (2025年6月11日公開 セキュリティ更新プログラム)
  • Windows10 1507(初期バージョン) (Windows10 LTSB 2015等)
    KB5062561 (2025年7月9日公開 セキュリティ更新プログラム)
    KB5060998 (2025年6月11日公開 セキュリティ更新プログラム)

一般ユーザーであればWindows11 24H2 / 23H2、Windows10 22H2くらいしか縁がありませんが、企業・組織だと、1809 / 1607 / 1507ベースのWindows10 LTSC / LTSB等を導入しているところもあるかもしれません。Windows10 22H2より前のバージョンも本不具合の影響を受けますのでお気をつけください。

本不具合により起動しなくなったPCは、最悪BIOS / UEFIにも入ることができなくなります。なお、ストレージ(SSD / HDD)自体は無事です。ほかのPCに取り付けると認識します。(そのため、ストレージを初期化したりはしないでください)

対策: 2025年6月11日以降にWindows Updateをしていない場合

セキュリティ更新プログラムには脆弱性の修正が含まれていますが、脆弱性を修正するためにPCが起動しなくなっては本末転倒です。

もし、まだ2025年6月11日以降にWindows Updateを実行していない場合、筆者としましてはアップデートの延期を推奨いたします。

Windows Updateが始まらないよう、まずは念のためインターネット接続を切ってください。(LANケーブルを抜く、Wi-Fiをオフにするなど)

Windows11の場合は『設定』 → 『Windows Update』へ進み、『更新の一時停止』から一時停止期間を選択してください。

Windows10の場合は、『設定』 → 『更新とセキュリティ』へ進み、『Windows Update』の『更新を7日間一時停止』を選択、もしくは『詳細オプション』 → 『更新の一時停止』から一時停止期間を選択してください。

メーカーのサポートページを見たり、メーカーに問い合わせて、対策ができたらアップデートを再開してください。

対策2: すでに不具合の影響を受けている場合

すでにこの不具合の影響を受けている場合、むやみに何かしようとせず、現状を維持し、メーカーに対応を問い合わせてください。

復旧について1

この不具合について、Gigabyteに問い合わせたユーザーは、サポートから以下の回答を得ました。

弊社はこの問題について認識しており、現在本社と連携して解決に取り組んでいます。EFI ShellでBIOSを再フラッシュすることで解決できる可能性があることがわかりました。さらにテストを行い、皆様が理解しやすいPDF形式のマニュアルを作成する予定です。

― Gigabyteテクニカルサポートチーム

同様の報告はほかにも出ています。RedditユーザーのTraditional_Arm_5427は以下のように述べています。

私はテクニカルサポートの仕事をしています。これまでに、Windows Update後に起動しなくなったClevo製のノートパソコンをいくつか扱いました。原因はBIOSの破損でした。EFI ShellでBIOSをフラッシュ(再書き込み)することで問題は解決し、Windowsが起動するようになりました。

Cleve製のノートPCはSagerというブランド名でも販売されています。影響を受けたPCは、NP70RNJS、NP50PNJ、NP70PNJ、NH50ACで、これらのOSはすべてWindows11です。

このほか、ASUS X550VXという古いWindows10 PCでも同じ症状が発生しています。しかし、バッテリー残量が20%未満と表示されてBIOSをフラッシュできません。

― Traditional_Arm_5427

Redditの報告でもBIOSの再フラッシュで直ったとのこと。

今後、この不具合の影響を受けたメーカー各社から、復旧手順の公開が待たれます。

復旧について2

2025年6月23日時点で、Gigabyteは復旧方法を公開マウスコンピューターは修正BIOSを公開エプソンは修理対応Microsoftは対処方法をアナウンスしています。

Gigabyteとマウスコンピューターはユーザー側で復旧できる手順を公開していますが、もし、難しいと感じた場合は各メーカーへと問い合わせて対応を尋ねた方が良いでしょう。