【Windows10】 WindowsUpdate 2025年8月 不具合情報 - プレビューリリース KB5063842

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日本時間で2025年8月27日にWindowsUpdateに配信されたWindows10用更新プログラムKB5063842の不具合情報です。

月例の翌々週以降に公開・配信される更新プログラムは『プレビューリリース』と呼ばれており、新たなセキュリティアップデートを含んでおらず、不具合の修正や機能改善のみの更新プログラムとなっています。特に問題がなければ次の月例に同梱されます。

『プレビューリリース』は文字通りに早期公開のプレビュー版なため、すぐにでも適用したい不具合の修正がない場合や、人柱になりたくない場合はスルーを推奨いたします。

以下、2025年8月27日に公開された更新プログラムの不具合およびその回避策・解決策になります。

更新履歴
初版。

Windows10 22H2用プレビューリリース: KB5063842

基本情報

KB5063842はWindows10 バージョン22H2用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。

この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。

▼機能改善や修正された不具合・更新プログラムのハイライト

  • Windowsのテキストボックスで補助文字が表示されない不具合を修正
  • 中国語IMEにおいて一部の文字が空白のボックスとして表示される不具合を修正
  • Windows10 keyless Commercial ESUソリューションと、Windows 365サブスクリプションを併用しているユーザー向けに、送信ネットワークトラフィックをブロックできる新機能を追加。この機能強化により、Zero Exhaustポリシーへの準拠をサポートします
  • モバイル通信事業者のCountry and Operator Settings Asset (COSA)プロファイルを最新のものへと更新
  • リモートデスクトップサービス(Remote Desktop Services / RDS)環境において、mf.dllがリダイレクトされたウェブカメラデバイスを列挙できない不具合を修正
  • 顔認識(Windows Hello)の設定において、『顔認識保護を強化する』のチェックボックスをナレーターが読み間違える不具合を修正
  • Windows検索ペインにおいて、プレビューペインが正常に表示されない場合がある不具合を修正
  • Family Safetyにおいて、ブロックされたアプリを使用しようとした際に、使用許可の承認フローが始まらない不具合を修正
  • Removeable Storage Accessポリシーが正常に機能しない不具合を修正
  • 組織向けWindowsバックアップ(Windows Backup for Organizations)の提供を開始

不具合情報

KB5063842には以下の既知の不具合とユーザー報告があります。

既知の不具合
不具合概要回避策

日本時間で2025年8月13日以降にリリースされた更新プログラム(KB5063709以降)をインストールした環境において、NDIを使用した配信がひどくカクついたりラグったり切断されたりする場合があります。

この不具合はNDI Toolsや、NDIプラグイン(DistroAV)を使用したOBS Studioなど、NDIを使用する配信アプリで発生します。

詳細は以下の記事参照。
Windows UpdateによりNDIに不具合。OBSなどが影響。配信にカクつきやラグ等が発生。Windows11 24H2 KB5063878、Windows10 22H2 KB5063709に起因

この不具合はNDIの設定がRUDP接続の場合に影響を受けます。一時的な対処方法・回避策として、NDI受信モードを手動でRUDPからTCPまたはUDPへと変更してください。これで本不具合は発生しなくなります。詳細な手順についてはNDI公式ページのアナウンス『Traffic Drops After Windows Update』をご覧ください。

何かしらの理由で上記変更が行えない場合は、2025年8月13日以降にリリースされた更新プログラムをアンインストールすることでも本不具合を回避できます。なお、2025年8月13日のKB5063709はセキュリティ更新プログラムのため、アンインストールすると脆弱性が未修正のままになることには注意が必要です。

ユーザー報告
不具合概要回避策

日本時間で2025年8月13日以降にリリースされた更新プログラムをインストールしたWindows環境において、AutoCAD製品(2022~2026の各エディションやCivil 3Dなど)が正常に起動しなくなる不具合が発生しています。

AutoCAD起動時に『ユーザー アカウント制御』(User Account Control / UAC)が表示されて管理者権限を要求されるようになります。

詳細は以下の記事参照。
AutoCADが正常に起動しない不具合。起動時に『ユーザーアカウント制御』(UAC)が表示されて管理者権限を求められる。Windows11やWindows10などで発生。KB5063878 / KB5063709など2025年8月のWindows Updateに起因

AutoCAD開発元であるAutoDesk社は、本不具合の一時的な対処方法を2つ案内しています。1つは、2025年8月13日以降にリリースされた更新プログラムをアンインストールすること。アンインストール手順は左記リンク先記事をご覧ください。

もう1つはレジストリエディターで以下のレジストリを設定して『ユーザーアカウント制御』(UAC)を無効化すること。(元に戻したい場合は『DisableLUAInRepair』を削除してください)

【キー】HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\Installer
【DWORD】DisableLUAInRepair
【値】1

上記のいずれかを行うことで本不具合の発生を防げます。

AutoDesk社によると、現在、Microsoftと協力して本不具合の解決に取り組んでいるとのことです。(Microsoft側から本不具合に関するアナウンスはまだありません)