AutoCADが正常に起動しない不具合。起動時に『ユーザーアカウント制御』(UAC)が表示されて管理者権限を求められる。Windows11やWindows10などで発生。KB5063878 / KB5063709など2025年8月のWindows Updateに起因
Windows11 24H2や23H2、Windows10などを含む複数のWindows環境において、AuroCADが正常に起動しない不具合が発生しています。
不具合概要
日本時間で2025年8月13日にリリースされたWindows Update / セキュリティ更新プログラムをインストールしたWindows11 24H2 / 23H2、Windows10 22H2などにおいて、AutoCAD製品(2022~2026の各エディションやCivil 3Dなど)を起動すると、『ユーザー アカウント制御』(User Account Control / UAC)が表示されて管理者権限を要求され、正常に(普通に)起動できません。
管理者のユーザー名とパスワードを入力すればAutoCADが起動しますが、企業や組織など、管理者権限を持たないユーザーは起動することができません。
現時点で、この不具合が発生するOSおよび不具合を内包するとされる更新プログラムは以下。
- Windows11 24H2
KB5063878 (2025年8月13日公開 セキュリティ更新プログラム) - Windows11 23H2
KB5066189 (2025年8月20日公開 緊急リリース)
KB5063875 (2025年8月13日公開 セキュリティ更新プログラム) - Windows10 22H2
KB5066188 (2025年8月20日公開 緊急リリース)
KB5063709 (2025年8月13日公開 セキュリティ更新プログラム) - Windows 11 Enterprise LTSC 2024
KB5064010 (2025年8月13日公開 セキュリティ更新プログラム(ホットパッチ)) - Windows10 Enterprise LTSC 2019 / Windows10 IoT Enterprise LTSC 2019
KB5066187 (2025年8月20日公開 緊急リリース)
KB5063877 (2025年8月13日公開 セキュリティ更新プログラム)
備考: 2025年8月20日の緊急リリースは報告には含まれていませんが、2025年8月20日の緊急リリースは『OSの回復やリセットに失敗する不具合』を修正するものであり、本不具合の影響を受けるはずです。このほか、報告・確認されていないだけで、上記以外のOSや更新プログラムが影響を受ける可能性もあります。
対処方法・回避策
上記の不具合が発生した場合、一時的な対処方法として、2025年8月13日(以降)にリリースされた更新プログラムをアンインストールするよう、AutoCAD開発元であるAutodesk社は案内しています。また、Autodesk社は、現在、Microsoftと協力して本不具合の解決に取り組んでいるとのことです。(Microsoft側から本不具合に関するアナウンスはまだありません)
なお、上記更新プログラムはセキュリティアップデートのため、アンインストールすると脆弱性が未修正のままになることには注意が必要です。
Windows11およびWindows10での更新プログラムのアンインストール手順は以下。
Windows11
1. スタートボタン』 → 『設定』 → 『Windows Update』 → 『更新の履歴』 → 一番下にある『更新プログラムをアンインストールする』を選択。 2. 当該更新プログラムの『アンインストール』を選択すればアンインストールされます。 3. アンインストール後は、更新プログラムが再び入ってこないように更新プログラムを一時停止しておきましょう。『更新の一時停止』から停止する期間を選択。 |
Windows10
1. 『スタートボタン』 → 『設定』 → 『更新とセキュリティ』 → 『更新の履歴を表示する』 → 『更新プログラムをアンインストールする』を選択。 2. 当該更新プログラムを右クリックして『アンインストール』を選択すればアンインストールされます。 3. アンインストール後は、更新プログラムが再び入ってこないように更新プログラムを一時停止しておきましょう。『Windows Update』の画面から、『更新を 7 日間一時停止』や、『詳細オプション』の『更新の一時停止』を選択。 |