Intel、Arrow Lake Refreshの存在をさりげなく認める。売れ行きにはあまり期待していない模様。現状を打破するにはNova Lakeが必要

CPU

Intel Core Ultra

IntelがArrow Lake RefreshデスクトップCPU (Arrow Lake-S Refresh)の存在をさりげなく認めました。

Arrow Lake Refreshの存在をさりげなく認める

2025年9月4日(現地時間)に行われたCiti’s 2025 Global Technology Conferenceにおいて、Intel VP兼CFOであるDavid Zinsner氏は以下のように述べています。

Intel VP兼CFO David Zinsner氏の発言

クライアント向けポートフォリオについてはまだ取り組むべき課題があります。現在、デスクトップ向けにはArrow Lakeがあります。今後、Arrow Lakeの新たな展開も見えてくるでしょう。

しかし、現在の状況を完全に解決するにはNova Lakeの登場を待つ必要があると考えています。

― Intel VP & CFO, David Zinsner

原文は「There's another wave of Arrow Lake that we'll see. 」で、直訳すると「Arrow Lakeの別の波が、私たちの前に現れるでしょう」となります。意訳すると上記のように捉えることができ、ニュアンス的には「Arrow Lakeの新たな展開」、つまり、Arrow Lake Refreshの存在と発売することをさりげなく認めたかたちとなります。

Arrow Lake Refresh / Core Ultra 300シリーズが実在することは、輸送記録Geekbenchに掲載されていることからすでに明らかになっていますが、Intelが公の場で(さりげなくではあるものの)その存在を認めたのは今回が初めてとなります。

Arrow Lake Refresh / Core Ultra 300シリーズデスクトップCPUは2025年後半の発売が見込まれており、既存のArrow Lake / Core Ultra 200シリーズ比で7~10%ほどゲーム性能が向上すると囁かれています。

現状を打破するにはNova Lakeが必要

David Zinsner氏の発言は興味深いもので、「現在の状況を完全に解決するにはNova Lakeの登場を待つ必要があると考えています」と述べています。ここでいう「現在の状況」とは、「コンシューマー向けCPUの売れ行き」のことを指していると捉えるのが自然でしょう。

つまるところ、Arrow Lake Refreshでは現状を打破するに至らず、あまり売れ行きには期待していないように見受けられます。しかし、Nova Lakeには相当な自信があるようで、Nova Lakeの登場によって現状を変えることができると見込んでいます。

Nova Lakeは最大52コアモデルの実在が確認されており、コンシューマー向けCPUとしては過去最大のコア数を有します。また、bLLCと呼ばれるAMDで言うところの3D V-Cache的な大容量L3キャッシュを搭載したモデルもあるとされており、そのゲーム性能はArrow Lake比で30~45%向上すると囁かれています。CPU負荷の高いワークロードで多コアを必要とする人や、PCゲーマーには注目のCPUとなるでしょう。

Nova LakeデスクトップCPU (Nova Lake-S)は、2026年の発表が予定されています。

ArrowLakeRefresh

Posted by にっち