【Windows10】 WindowsUpdate 2021年9月 不具合情報 - プレビューリリース KB5005101 [Update 3]

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2021年9月2日にWindowsUpdateに配信されたWindows10用更新プログラムKB5005101の不具合情報です。

月例の翌週以降に公開・配信される更新プログラムは『プレビューリリース』と呼ばれており、新たなセキュリティアップデートを含んでおらず、不具合の修正や機能改善のみの更新プログラムとなっています。特に問題がなければ次の月例に同梱されます。

『プレビューリリース』は文字通りに早期公開のプレビュー版なため、すぐにでも適用したい不具合の修正がない場合や、人柱になりたくない場合はスルーを推奨いたします。不具合の修正内容については各更新プログラムのリンク先よりご確認くださいませ。

以下、2021年9月2日に公開された更新プログラムの不具合およびその回避策・解決策になります。『.NET Framework』など、その他の更新プログラムやWindows Server固有の不具合は割愛しています。

更新履歴
① レジストリから『ニュースと関心事項』を完全に無効化している場合、復活する不具合(ユーザー報告)を加筆。 [2021/9/8]
② ふりがなの自動入力が正常に動作しない既知の不具合を削除、修正された不具合に加筆。詳細は当記事内『追加情報2』の項目をご覧ください。 [2021/9/13]
③ アプリがクラッシュしたりフリーズする既知の不具合を加筆。 [2021/9/26] [New]

21H1 / 20H2 / 2004用プレビューリリース: KB5005101

基本情報

KB5005101はWindows10 バージョン21H1 / 20H2 / 2004用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。

この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。

修正された不具合・更新プログラムのハイライト

  • ふりがなの自動入力が正常に動作しない不具合を修正。この不具合により、漢字を入力した際にふりがなも自動入力されるようなアプリケーションにおいて、正しくないふりがなが表示される場合がありました [New]
  • タスクバーを上・左・右のいずれかに移動していて『ニュースと関心事項』が有効になってると、フルスクリーンで起動したゲームや、Open Shellのスタートメニュー、タスクバーのプレビュー(サムネイル)などを開いても勝手に消える・最小化されるといった不具合
  • Bluetoothヘッドセットで音声通話が機能しない不具合を修正
  • 日本語の再変換をキャンセルした際に誤ったふりがなが表示される不具合を修正
  • WindowsUpdateをインストールすると、Microsoft OneDriveの同期が「既知のフォルダのみ」にリセットされる不具合を修正
  • PCに特定のサードパーティ製オーディオドライバがインストールされていると、USB接続のオーディオヘッドセットが動作しない不具合を修正
  • 画像のサイズを変更する際に、ちらつきやアーティファクトが発生する不具合を修正
  • OOBE(Out-of-Box Experience)プロセス中にユーザー名ボックスに任意の単語を入力できないという不具合を修正。この不具合は、中国語のIME(Input Method Editor)を使用している場合に発生します
  • IMEを使用していると、Office 365のテキストボックスにテキストを挿入できない不具合を修正
  • タッチ入力のジェスチャーを行う際にPCが動作しなくなる不具合を修正。この不具合は、ジェスチャーの途中でより多くの指をタッチパッドまたはスクリーンに接触させると発生します
  • ハイバネーション後、外部モニターに黒い画面が表示されることがある不具合を修正。この不具合は、外部モニターが特定のハードウェアインターフェースを使用してドッキングステーションに接続されている場合に発生する恐れがあります
  • ハイダイナミックレンジ(HDR)モニターで標準ダイナミックレンジ(SDR)コンテンツの輝度がリセットされる不具合を修正。この不具合は、PCを再起動するか、PCにリモートで再接続すると発生します

追加情報

KB5005101のインストールが中々進まず、環境によってはアップデートが終わるまで数十分から最長1時間くらいかかる場合があります。待っていればいずれ終わりますので、気長にお待ちください。

追加情報2 [2021/9/13]

KB5005101の英語ページ公開当初、ふりがなの自動入力が正常に動作しない既知の不具合が掲載されていましたが、2021年9月13日時点では既知の不具合から削除されており、修正された不具合に加筆されました。(KB5005101の日本語ページはまだ既知の不具合に載ったままです) Microsoftは、本不具合を修正したものの、修正した不具合に掲載するのを忘れていた模様です。

この不具合は2020年6月10日(KB4557957以降)から発生していましたが、やっと修正されました。

不具合情報

KB5005101には以下の既知の不具合があります。

既知の不具合
不具合概要回避策

以下の不具合は、KB5005101にて修正されました。


ふりがなの自動入力が正常に動作しない場合があります。例えば、漢字で氏名を入力した際にふりがなも自動入力されるようなアプリケーションを使用すると、正しくないふりがなが表示される場合があります。

この不具合は『ImmGetCompositionString()』関数を使用するアプリで発生します。

この不具合は、2020年6月10日以降(KB4557957以降)のWindows10 バージョン21H1 / 20H2 / 2004のすべての更新プログラムに影響します。

詳細は以下の記事参照。
新しいIMEに新たな不具合。ふりがなの自動入力が異常動作。Windows10 2004 / 20H2で発生。回避策あり

『設定』 → 『設定の検索』に「日本語 IME の設定」と入力して『日本語 IME の設定』を開く → 『全般』 → 一番下の『以前のバージョンの Microsoft IME を使う』をオンに変更することでこの不具合を回避できます。

『以前のバージョンの Microsoft IME を使う』をオンに変更

濁点や半濁点が付いている一部の半角カタカナと全角カタカナの文字は、同じ文字として解釈されません。CompareStringEx()関数でNORM_IGNOREWIDTHフラグを指定して比較すると、ソートルールの不具合により、これらの文字は異なるものとして評価されます。この不具合は、2020年6月10日以降のWindows10 バージョン21H1 / 20H2 / 2004のすべての更新プログラムに影響します。

コマンドプロンプト(管理者)を開いて、以下のコマンドを入力・実行してください。

reg add HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Nls\Sorting\Versions /ve /d 0006020F /f

上記コマンドはレジストリのデータを書き換えるコマンドです。PCを再起動するとソートルールが1909以前に戻って不具合が発生しなくなります。

ただし、この回避策は、2020年12月1日公開のKB4586853以降が適用されている環境でのみ行ってください。KB4586853以降が適用されていない環境で行うと、PCが起動しなくなる恐れがあります。

また、Microsoftは元に戻す方法を案内していませんので実行する際はご注意ください。

こちらの環境で調べたところ、元のデータは20H2 / 2004ともに『00060305』だったので以下を実行すれば元に戻るはずです。

reg add HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Nls\Sorting\Versions /ve /d 00060305 /f

環境によってデータが異なるなんてこともあるかもしれませんので、レジストリエディターで『HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Nls\Sorting\Versions』を開いて、『(既定)』の変更前のデータを確認しておくことをおすすめいたします。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Nls\Sorting\Versions

上記内容でいまいちよくわからない場合や、この不具合に困っていない場合は、この回避策の実行はおすすめいたしません。修正されるのを待つことをおすすめいたします。

カスタムオフラインメディアまたはカスタムISOイメージからWindows10をインストールした環境だと、この更新プログラムによってMicrosoft Edge Legacyが削除されても、新しいMicrosoft Edgeに自動的に置き換えられない場合があります。

この不具合は、カスタムオフラインメディアまたはISOイメージが、2021年3月29日以降にリリースされたスタンドアロンのサービススタック更新プログラム(SSU)を最初にインストールせずに、この更新プログラムをイメージにスリップストリームして作成された場合にのみ発生します。

なお、WindowsUpdateに直接接続して更新プログラムを受信するデバイスは影響を受けません。これにはWindows Update for Businessを使用しているデバイスも含まれます。

この不具合を回避するには、最新の累積更新プログラム(LCU)をスリップストリームする前に、まず2021年3月29日以降にリリースされたスタンドアロンのサービススタック更新プログラム(SSU)をカスタムオフラインメディアまたはISOイメージにスリップストリームしてください。

1. 以下のコマンドでmsuからcabを抽出します。(KB5000842での例)

expand Windows10.0-KB5000842-x64.msu /f:Windows10.0-KB5000842-x64.cab <保存先のパス>

2. 以下のコマンドでcabからSSUを抽出します。

expand Windows10.0-KB5000842-x64.cab /f:* <保存先のパス>

3. これでSSU cab『SSU-19041.903-x64.cab』が作成されます。このファイルを最初にイメージスリップストリームして、次にLCUを入れてください。

カスタムメディアを使用してOSをインストールした際にこの不具合が発生した場合は、新しいMicrosoft Edgeを直接ダウンロードして手動インストールすることで、この不具合に対処できます。新しいMicrosoft Edge for businessを広範囲に展開する必要がある場合は、『ビジネス向け Microsoft Edge をダウンロードして展開する』を参照してください。

2021年5月26日に公開されたWindows10 バージョン21H1 / 20H2 / 2004用プレビューリリースKB5003214および2021年6月22日に公開されたプレビューリリースKB5003690をインストールした一部環境において、7月7日(KB5004945)以降の更新プログラムがインストールできない場合があります。その際、『PSFX_E_MATCHING_BINARY_MISSING』というエラーメッセージが表示されます。

詳細は以下の記事参照。
KB5004237等のインストールに失敗する不具合。対処方法あり

Microsoftによると、放っておいても『Windows Update Medic Service』(WaaSMedicSVC)サービスにより、インプレースアップグレードが行われて自動的に修復されるとのこと。

より早く問題を解決したい場合は、以下の手順を実行してください。

  1. 『スタート』 → 『Windows システム ツール』 → 『コマンド プロンプト』を右クリックして『その他』 → 『管理者として実行』
  2. コマンドプロンプトに『Reg.exe Add HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion /v AllowInplaceUpgrade /t REG_DWORD /f /d 1』と入力してエンター。

これで最大で48時間以内にインプレースアップグレードが行われて、同時に最新のセキュリティ更新プログラムも適用されます。

ARM環境の場合は別途KB5005932が必要になります。詳細はこちらをご覧ください。

[New]

Microsoft Exploit Protection Export Address Filtering (EAF)を使用している環境において、2021年9月2日公開のプレビューリリースKB5005101、または、それ以降の更新プログラムをインストールすると、一部アプリケーションが開けなかったり、クラッシュしたり、フリーズしたり、ファイルが開けなかったりするなどの不具合が発生する場合があります。

詳細は以下の記事参照。
KB5005565等にアプリがクラッシュするなどの不具合。対処方法あり

Microsoftは、この不具合をKnown Issue Rollback (KIR / 更新プログラムをアンインストールしなくても問題の部分だけをロールバックできる機能)を使用して修正すると述べており、一般的なPC環境や、企業や組織に管理されていないPC環境の場合、放っておいても最大で24時間以内に自動的に修正されます。PCを再起動すると、早く修正される場合があります。

企業や組織の管理対象PCの対処方法は、左記のリンク先記事をご覧ください。

ユーザー報告
不具合概要回避策

レジストリから『ニュースと関心事項』を完全に無効化にしていると、KB5005101のインストール後に『ニュースと関心事項』が再表示される場合があります。

この場合、レジストリの『Windows Feeds』キー自体が削除されています。

備考: 自環境で確認したところ、再現できず、この症状が発生する詳細な条件は不明です。

以下のレジストリを再度設定することで、『ニュースと関心事項』を無効化できます。

【キー】HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\Windows Feeds
【DWORD】EnableFeeds
【値】『0』で『ニュースと関心事項』を完全に無効化(非表示)、『1』で有効化

画像付きの詳細な手順は以下の記事をご覧ください。

『ニュースと関心事項』を完全に無効化する方法