【Windows11】 WindowsUpdate 2025年7月 不具合情報 - プレビューリリース KB5062663 / KB5062660 ブルースクリーンエラーがブラックスクリーンエラーへと仕様変更 [Update 5]

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日本時間で2025年7月23日にWindowsUpdateに配信されたWindows11 23H2用更新プログラムKB5062663、Windows11 24H2用更新プログラムKB5062660の不具合情報です。

月例の翌々週以降に公開・配信される更新プログラムは『プレビューリリース』と呼ばれており、新たなセキュリティアップデートを含んでおらず、不具合の修正や機能改善のみの更新プログラムとなっています。特に問題がなければ次の月例に同梱されます。

『プレビューリリース』は文字通りに早期公開のプレビュー版なため、すぐにでも適用したい不具合の修正がない場合や、人柱になりたくない場合はスルーを推奨いたします。

以下、2025年7月23日に公開された更新プログラムの不具合およびその回避策・解決策になります。

更新履歴 [記事初公開日: 2025/7/23]
① 24H2にKB5062660のインストールに失敗する不具合(ユーザー報告)を加筆。[2025/7/30]
② 24H2にKB5062660をインストールするとスタートアップアプリの起動が遅くなる不具合(ユーザー報告)を加筆。[2025/7/31]
③ 24H2にKB5062660をインストールするとWindowsが起動しなくなる不具合(ユーザー報告)を加筆。[2025/8/1]
④ 24H2にイベントビューアーにエラーが記録される既知の不具合を加筆。[2025/8/13]
⑤ 24H2に『.msuファイルのインストールに失敗する既知の不具合』を加筆。 [2025/8/16] [New]

Windows11 23H2用プレビューリリース: KB5062663

基本情報

KB5062663はWindows11 バージョン23H2用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。

この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。

▼機能改善や修正された不具合・更新プログラムのハイライト

  • モバイル通信事業者のCountry and Operator Settings Asset (COSA)プロファイルを最新のものへと更新
  • ファイルシステムに以下のアップデートを行いました
    • Resilient File System (ReFS)に関する不具合を修正。大きなファイルに対してバックアップアプリケーションを使用すると、システムメモリが完全に消費されてしまう場合がありました
    • 共有フォルダー内のPDFファイルを検索すると、「No More Files」(これ以上ファイルはありません)や「STATUS_NO_MORE_FILES」といったエラーメッセージが表示される不具合を修正。この不具合に起因して仮想PDFプリンターへの出力にも支障をきたしていました
  • 入力に関して以下のアップデートを行いました。
    • Microsoft繁体字中国語IMEを使用中、文章を入力した後に単語を確定・選択できないなどの不具合を修正。
    • 音声入力キーボードにおいて、ヒンディー語およびマラーティー語の音声入力が正常に機能しなくなっていた不具合を修正
      • これらの入力に完する不具合は、日本時間で2025年7月9日に公開されたセキュリティ更新プログラムKB5062552をインストールした環境で発生していました
  • セルラー接続が有効な一部環境において、スリープから復帰後に周辺機器の動作に時間がかかる場合がある不具合を修正
  • IPP Directed Discovery使用時に、プリンター名がより明確に表示されるようになり、セットアップ中のプリンターを識別しやすく改善
  • 2025年5月のセキュリティ更新プログラム以降をインストールすると、稀にPCが不安定になる不具合を修正。一部環境の特定状況において、PCが応答しなくなったりしていました
  • タスクバーにアクセシビリティ機能のアイコンが表示されない不具合を修正

不具合情報

2025年7月23日時点でKB5062663に不具合は確認されていません。

Windows11 24H2用プレビューリリース: KB5062660

基本情報

KB5062660はWindows11 バージョン24H2用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。

この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。

▼機能改善や修正された不具合・更新プログラムのハイライト

◆段階的ロールアウト(※すぐには反映されません)

  • Recallに以下のアップデートを行いました
    • EEA (欧州経済地域)でも利用可能になりました
    • Recallをリセットしてすべてのデータを削除できるようになりました。『設定』 → 『プライバシーとセキュリティ』 → 『Recallとスナップショット』にあるリセットボタンを押すとRecallが初期設定に戻ります
  • Click to Doに以下のアップデートを行いました
    • 『Reading Coachで練習する』(Practice in Reading Coach)はClick to Doの新しいテキストアクションです。これにより音読の流暢さや発音の向上をサポートします。この機能を使用するにはMicrosoft StoreからReading Coachアプリをインストールしてください
    • 『Immersive Readerで読む』(Read with Immersive Reader)はClick to Doの新しいテキストアクションです。集中できる静かな読み書き環境を提供します。この機能を使用するにはMicrosoft StoreからReading Coachアプリをインストールしてください
    • 『Copilotを使ってWordで下書き』テキストアキションを使用すると、認識したテキストをすばやく完全な下書きに変換できます。この機能を使用するにはMicrosoft 365 Copilotのサブスクリプションへの登録が必要です
    • Microsoft Teamsの操作に対応しました。Click to Doで認識されたメールアドレスを画面上で選択すると、Teamsメッセージの送信やTeams会議のスケジュール設定を選択できます
  • 『設定』に以下のアップデートを行いました
    • Copilot+ PC環境において、新しいエージェントを追加。「音声でPCを操作する方法」や「マウスポインターが小さすぎる」など、必要なヘルプ情報を入力すると、エージェントが問題の解決手順を提案します。現時点ではSnapdragon搭載Copilot+ PCのみにロールアウトされていますが、近いうちにAMD / IntelのCopilot+ PCもサポート予定です。また、この機能は現時点ではメインの言語が英語の環境でのみ機能します
    • Copilot+ PCではない環境の場合、『設定』画面の上部に検索ボックスが表示されるようになります
    • 『設定』 → 『システム』 → 『電源とバッテリー』 → 『カバーを閉じたときの動作』 → 『何もしない』にしている環境において、設定を開いたままカバーを閉じて、カバーを再度開くと『設定』ウィンドウが応答しなくなる場合がある不具合を修正
    • Wi-Fiネットワークの認証情報を保存しようとすると、『設定』ウィンドウが応答しなくなる不具合を修正
  • Windows Resiliency Initiativeの一環として以下のアップデートを行いました
    • 『クイックマシンリカバリー』(迅速なマシンの回復 / Quick Machine Recovery / QMR)が利用可能になりました。起動不能等の重大で広範囲な障害が発生した場合、不具合・問題を自動的に検出して修正します。Homeユーザーは既定で有効になっています。『設定』 → 『システム』 → 『クイック マシン リカバリー』からも設定できます。IT管理者はIntune Settings Catalog UIのRemoteRemediationCSPを使用してこの機能を組織向けに有効化・カスタマイズできます
    • ブルースクリーンエラー(ブルースクリーンオブデス / BSoD)の画面を変更。これまで、青い背景だったのが、黒い背景のブラックスクリーンエラー(ブラックスクリーンオブデス / BSoD)になります
  • Configure Start PinsポリシーにBooleanオプションを追加。この設定はConfiguration Service Provider (構成サービス プロバイダー / CSP)で通じて適用できます
  • スナップ機能がより直感的で使いやすくなりました
  • Windows Serarchの設定が見つけやすくなりました。今後は、『設定』 → 『プライバシーとセキュリティ』 → 『検索』に統一されます
  • タッチキーボードのゲームパッドレイアウトを改善
  • ファイルエクスプローラーに以下のアップデートを行いました
    • 『…』(もっと見る)を開いて、現在のパスのフォルダー一覧を表示すると、ドロップダウンが完全に表示されず、下部の項目を選択できなくなる場合がある不具合を修正
    • ファイル操作の進行状況ダイアログが表示されなくなる場合がある不具合を修正
    • SharePointサイトを複数同期している場合、フォルダーのナビゲーションや右クリックメニューの表示が遅くなったり、ファイルの起動が遅延したりするパフォーマンスの不具合を修正
  • デスクトップのアプリアイコンが白く表示される不具合を修正。この不具合はアプリのアップデート後に発生する場合がありました
  • 『通知』をクリックしても関連するアプリが表示されない不具合を修正。例えば、Outlookの通知でこの不具合が発生する場合がありました

◆通常ロールアウト(※こちらはすぐに反映されます)

  • 特定の監査設定でマシンのパスワード変更中にLocal Security Authority Subsystem Service (LSASS)が応答しなくなる不具合を修正
  • ファイルエクスプローラーのホームに、本来表示されるはずのフォルダーやファイルなどが表示されず、例えば、デスクトップといった1つのフォルダーだけしか表示されない場合がある不具合を修正
  • Resilient File System (ReFS)に関する不具合を修正。大きなファイルに対してバックアップアプリケーションを使用すると、システムメモリが完全に消費されてしまう場合がありました
  • Thunderbolt経由で接続された外付けグラフィックスカード(グラボ)が、認識されない場合がある不具合を修正
  • 入力に関して以下のアップデートを行いました。
    • Microsoft繁体字中国語IMEを使用中、文章を入力した後に単語を確定・選択できないなどの不具合を修正。
    • 音声入力キーボードにおいて、ヒンディー語およびマラーティー語の音声入力が正常に機能しなくなっていた不具合を修正
      • これらの入力に完する不具合は、日本時間で2025年7月9日に公開されたセキュリティ更新プログラムKB5062553をインストールした環境で発生していました
  • 2025年5月のセキュリティ更新プログラム以降をインストールすると、稀にPCが不安定になる不具合を修正。一部環境の特定状況において、PCが応答しなくなったりしていました
  • 『イベント ビューアー』にイベントID 2042として『セキュリティが強化された Windows ファイアウォール』(Windows Firewall with Advanced Security / WFAS)に関連するエラー(『Config Read Failed』(構成の読み取りに失敗しました)、『More data is available』(追加のデータがあります)といった内容のエラーメッセージ)が記録される不具合を(今度こそ)修正

追加情報

上記にも書いていますが、ブルースクリーンエラーの画面が変更となります。今後、Windows11 24H2では、青色ではなく、以下のような黒色のブラックスクリーンエラーになります。この変更は、段階的にロールアウトされます。

Windows11 24H2: ブラックスクリーンエラー
Windows11 24H2: ブラックスクリーンエラー
(Black Screen of Death / BSoD)

不具合情報

KB5062660には以下の既知の不具合とユーザー報告があります。

既知の不具合
不具合概要回避策

2025年7月23日に配信されたプレビューリリースKB5062660以降をインストールすると、イベントビューアーにエラーID 57 (イベントID 57)、CertificateServicesClient (CertEnroll)に関するエラーが記録される場合があります。

イベント内容は「The "Microsoft Pluton Cryptographic Provider” provider was not loaded because initialization failed」(Microsoft Pluton Cryptographic Provider プロバイダーは初期化に失敗したため読み込まれませんでした)といったものです。

このエラーはPCを再起動するたびにイベントビューアーに記録されますが、表示上の問題で、実際にはWindowsに何も問題や不具合は発生していません。

このエラーは現在開発中の機能に関連するもので、Windowsには何も影響はなく、このエラーの発生を防止したり解決したりするための対応は不要です。

つまり、何もせず放っておいて問題ありません。

現在、Microsoftは本不具合の解決に取り組んでおり、今後のアップデートで修正予定しています。

[New]

複数の『.msu』ファイルがあるネットワーク上の共有フォルダーから、『.msu』ファイル形式の更新プログラム(例えば、Microsoft Updateカタログからダウンロードした更新プログラム)を実行すると、『ERROR_BAD_PATHNAME』エラーが発生してインストールに失敗する場合があります。

この不具合は、日本時間で2025年5月29日にリリースされた更新プログラムKB5058499以降をインストールしている環境で発生する場合があります。

詳細は以下の記事参照。
特定状況で更新プログラムの手動インストールに失敗する不具合。Windows11 24H2とWindows Server 2025で発生。Microsoft Updateカタログの『.msu』ファイルに影響

『.msu』ファイル形式の更新プログラムをローカルに保存して実行することで本不具合を回避できます。

また、この不具合はKnown Issue Rollback (KIR / 更新プログラムをアンインストールしなくても問題の部分だけをロールバックできる機能)を使用して修正されます。一般的なPC環境や、企業や組織に管理されていないPC環境の場合、放っておいても自動的に修正されます。

企業や組織等で管理されているPCでは、以下の特別なグループポリシーをインストールして設定することで解決できます。

このグループポリシーは『コンピューターの構成』 → 『管理用テンプレート』 → 『KB5062660 250806_17201 Known Issue Rollback』にあります。グループポリシーの展開と構成方法については『How to use Group Policy to deploy a Known Issue Rollback』のページをご覧ください。(※英語です。日本語ページもありますが機械翻訳です)

現在、Microsoftは本不具合の解決に取り組んでおり、今後のアップデートで修正を予定しています。

ユーザー報告
不具合概要回避策

一部のWindows11 24H2 PC環境において、『0x80073712』『0x80070005』『0x800f0922』といったエラーが表示されて、インストールできない・インストールに失敗するとの不具合報告が複数件出ています。

詳細は以下の記事参照。
KB5062660のインストールに失敗する不具合。0x80073712、0x80070005、0x800f0922といったエラーが出る。Windws11 24H2にて発生。対処方法あり

ESET Smart Securityを使用している環境で『0x80070005』エラーにより失敗する場合は、ESET Smart Securityの検出エンジンを31570以降へとアップデートしてください。これでインストールできるようになったとの報告が出ています。

その他のエラーで失敗する場合、システム要件を満たした通常のWindows11 PCであれば、『設定』 → 『システム』 → 『回復』 → 『Windows Update で問題を解決する』を行ったください。これでインストールに成功したとの報告が出ています。

(注: システム要件を満たしていないWindows11非対応PCでは絶対にこの手順を実行しないでください。失敗します)

もし、上記手順で上手くいかなかった場合や、システム要件を満たしていないWindows11非対応PC環境の場合は『Windows Updateのエラーを簡単に修正する方法』をお試しください。

詳細は左記リンク先記事をご覧ください。

一部のWindows11 24H2 PC環境において、KB5062660をインストールすると、スタートアップアプリの起動が以前よりもかなり遅くなったとの不具合報告が出ています。

詳細は以下の記事参照。
KB5062660をインストール後、スタートアップアプリの起動が遅くなる不具合。Windows11 24H2にて。対処方法あり

KB5062660をアンインストールすることで直った(元の起動速度に戻った)との報告が出ています。本不具合にお困りの方はKB5062660のアンインストールをお試しください。

アンインストール手順は左記のリンク先記事をご覧ください。

一部のWindows11 24H2 PC環境において、KB5062660をインストールすると、Windowsが起動しなくなるとの不具合報告が出ています。

報告件数は3件と非常に少なく、環境依存の可能性が高いものと思われます。

詳細は以下の記事参照。
KB5062660をインストール後、Windowsが起動しなくなる不具合。一部のWindows11 24H2環境で発生

BIOS / UEFI設定でハードウェアRAIDの設定を無効化すると本不具合の発生を防げると報告されています。

本不具合にお困りの方はお試しください。