【Windows11】 WindowsUpdate 2023年2月 不具合情報 - プレビューリリース KB5022913 PCが起動しなくなる既知の不具合あり [Update 4]

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Windows11 - WindowsUpdate

2023年3月1日にWindowsUpdateに配信されたWindows11 バージョン22H2用更新プログラムKB5022913の不具合情報です。

月例の翌週以降に公開・配信される更新プログラムは『プレビューリリース』と呼ばれており、新たなセキュリティアップデートを含んでおらず、不具合の修正や機能改善のみの更新プログラムとなっています。特に問題がなければ次の月例に同梱されます。

『プレビューリリース』は文字通りに早期公開のプレビュー版なため、すぐにでも適用したい不具合の修正がない場合や、人柱になりたくない場合はスルーを推奨いたします。不具合の修正内容の詳細については各更新プログラムのリンク先よりご確認くださいませ。

以下、2023年3月1日に公開された更新プログラムの不具合およびその回避策・解決策になります。『.NET Framework』など、その他の更新プログラムやWindows Server固有の不具合は割愛しています。

更新履歴 [記事初公開日: 2023/3/1]
① 『プロビジョニングパッケージを使用するとすべてのアプリがインストールされない既知の不具合』を削除(取り消し線)。当初、Microsoftはこの不具合を未修正としていましたが、後日、修正済みへと変更しました。 [2023/3/3]
② 『コピー速度が低下する不具合』を削除(取り消し線)。Microsoftコミュニティにてこの不具合はKB5022913で修正済みと発表されました。しかし、Microsoftは不具合を消し忘れており、KB5022913のKBページには未だに既知の不具合として掲載され続けています。 [2023/3/8]
③ キオスクモード環境で自動的にログインしない既知の不具合を加筆。 [2023/3/17]
④ 22H2用KB5025305に日本語入力の既知の不具合を加筆。 [2023/5/8]  [New]

Windows11 22H2用プレビューリリース: KB5022913

基本情報

KB5022913はWindows11 バージョン22H2用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。

この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。

▼機能改善や修正された不具合・更新プログラムのハイライト

  • HDRに設定していると、動画再生中にブルースクリーンエラー(BSoD)が発生する不具合を修正
  • ネットワークドライブからローカルドライブにコピーする際、コピー速度が遅くなる不具合を修正
  • 一部のプリンターに影響する互換性の問題を修正
  • 昇格が必要な場合、特定の状況下でプロビジョニングパッケージの適用に失敗する不具合を修正
  • プリンターをインストールするとコマンドプロンプトウィンドウが表示される不具合を修正
  • タスクビューの不具合を修正
  • ファイルエクスプローラーにおいて、[SHIFT]+[TAB]または[SHIFT]+[F6]を使用した際に、入力フォーカスが移動しない不具合を修正
  • Bluetoothキーボードのボリュームアップ・ボリュームダウンコマンドが表示されない不具合を修正
  • サインインするときに、タッチキーボードとPIN入力キーボードでテキスト入力ができない不具合を修正
  • フォルダの参照に影響する不具合を修正
  • カラーフィルターにおいて『反転』を使用すると『グレースケール』になる不具合を修正(何のカラーフィルターのことかは書かれていません)
    (おそらくMicrosoft Edgeの)IEモードでステータスバーにテキストが常に表示されない不具合を修正
  • タスクバー上の検索ボックスの操作性が向上
  • Neural Processing Unit (NPU)搭載環境において、タスクバーのクイック設定からWindows Studioの効果に直接アクセスできるように改善
  • PCに問題がある場合、より簡単にヘルプにアクセスできるよう改善。スタートメニューにクイックアシストを表示
  • 2-in-1向けタスクバーを導入(タブレットとして使用できる環境でのみデフォルトでオン)
  • 点字デバイスのサポートを強化
  • 点字ディスプレイ、点字入力および出力言語のサポートを追加。点字に関する詳細は『ナレーターを点字ディスプレイで使う』のページをご覧ください
  • エネルギーに関する推奨事項を提供。これによりPCの二酸化炭素排出量の削減できます。『設定』 → 『システム』 → 『電源』 → 『エネルギーに関する推奨事項』から確認できます
  • システムトレイを強化。アイコンを並べ変えたりする際、表示がグラフィカルになりました
  • 音声アクセスを強化
  • タスクマネージャーを強化
  • Xboxサブスクリプションカードがアカウント ページに表示されない不具合を修正
  • タミル語をサポート
  • アップデート後、Windowsの信頼性を向上
  • メキシコのサマータイムに対応
  • Azure Active Directory (AAD)に参加しているPCにAIを利用したおすすめコンテンツがスタートメニューに表示されるようになりました

備考

Microsoftが公開しているKB5022913のページに書かれている既知の不具合の内容は間違ってます。KB5022913のページには既知の不具合として『プロビジョニングパッケージを使用した場合OOBEが完了しない不具合』があると書かれていますが、これは2022年11月30日に公開されたKB5020044にて修正されました。このことは、Microsoftが別途公開している不具合情報のページに記されています。

しかし、KBページでは未だに古い情報が掲載され続けています。KBページと不具合情報ページとで担当者が違うのか、MicrosoftはたびたびKBページの更新を忘れて古い情報を掲載したままにすることがあります。(逆もたまにありますが)

『プロビジョニングパッケージを使用した場合OOBEが完了しない不具合』は修正されましたが、その後、すぐに『プロビジョニングパッケージを使用するとすべてのアプリがインストールされない不具合』が新たに発生したため、KBページ担当者は区別が付いていないのかもしれません。(なお、『プロビジョニングパッケージを使用するとすべてのアプリがインストールされない不具合』もKB5022913にて修正済みです)

そのうち掲載内容を修正するだろうと思っていましたが、今回は一向に修正されないため、一応記しておきます。以下の『既知の不具合』は、KB5022913のページの誤った古い内容ではなく、最新情報に基づいた内容になります。

重要事項

KB5022913にはPCが起動しなくなる恐れのある既知の不具合があります。この不具合は、Windowsの見た目・ユーザーインターフェイス(UI)を変更するカスタマイズアプリを使用している環境で発生する場合があります。詳細は下記の『既知の不具合』下部をご覧ください。

不具合情報

KB5022913には以下の既知の不具合があります。

既知の不具合
不具合概要回避策

備考: KB5022913の修正された不具合に『昇格が必要な場合、特定の状況下でプロビジョニングパッケージの適用に失敗する不具合を修正』という記述があります。

もしかしたら、以下の不具合のことなのかもしれませんが、Microsoftが公開している不具合情報のページには未だに修正済みとは記されていません。

別問題なのか、Microsoftが更新を忘れているのかは定かではありません。

2023/3/3追記
以下の不具合が修正済みへと変更されました。Microsoftが更新を忘れていたようです。

プロビジョニングパッケージを使用してWindows11 バージョン 22H2 (Windows 11 2022 Updateとも呼ばれる)をインストールすると、すべてのアプリケーションがインストールされない場合があります。管理者権限が正常に付与されないためにこの不具合が発生します。

プロビジョニングパッケージは多数のPCにOSを展開する仕組みで、主に企業や組織等を対象にしたものです。プロビジョニングパッケージを使用しない場合(普通にインストールする場合)はこの影響を受けません。

また、Windows Autopilotを使用するWindows PCのプロビジョニングもこの問題の影響を受けません。

(※この不具合は更新プログラム固有の不具合ではなく、Windows11 22H2自体の不具合です)

詳細は以下の記事参照。
プロビジョニングパッケージにまた新たな不具合。Windows11 22H2にて発生

インストールされなかったアプリは、管理者権限でインストールするようMicrosoftは案内しています。

備考: KB5022913の修正された不具合に『ネットワークドライブからローカルドライブにコピーする際、コピー速度が遅くなる不具合を修正』という記述があります。おそらく、以下の不具合のことだと思われますが、以下の不具合は未だ既知の不具合として掲載されています。Microsoftの消し忘れか、それとも別問題かはわかりません。

2023/3/8追記
以下の不具合はKB5022913にて修正されたとMicrosoftコミュニティにて発表されました。しかし、Microsoftは不具合を消し忘れており、KB5022913のページには未だに既知の不具合として掲載され続けています。

リモートコンピューター(例えばSMB経由)からWindows11 バージョン22H2マシンに大きなファイル(数GB)をコピーする際、本来より40%ほど低速になる場合があります。この不具合はローカルでのファイルコピーでも発生する可能性があります。

詳細は以下の記事参照。
ファイルコピー速度が40%も遅い不具合。Windows11 バージョン22H2で発生

一時的な回避策として、『robocopy』または『xcopy』に『/J』のパラメーターを付けてコマンドプロンプトなどからファイルコピーを行うようMicrosoftは案内しています。コマンド例が以下。

robocopy \\someserver\someshare c:\somefolder somefile.img /J
xcopy \\someserver\someshare c:\somefolder /J

コマンドを打つのが面倒だったり、あまりの遅さに我慢できない場合は、Windows11 21H2へのロールバックをご検討ください。Windows11 21H2から22H2へとアップデートした環境であれば、

Windows11 22H2から21H2へと戻す方法

『設定』 → 『システム』(左側) → 『回復』(右側) → 『復元』の『戻す』を押して、そのまま進めていけば21H2に戻せます。

現在、Microsoftは修正に取り組んでいるとのことです。

2022年10月12日以降にリリースされた更新プログラムをインストールすると、ドメイン参加に『0xaac (2732): NERR_AccountReuseBlockedByPolicy』エラーで失敗する場合があります。

詳細は以下の記事参照。
KB5018410やKB5018482などに複数の不具合。ドメイン参加に失敗、OneDriveが突然終了

この不具合は、2022年10月12日の更新プログラムでの仕様変更に起因しています。この不具合は一般ユーザーが影響を受けることはほぼありません。

この不具合の詳細についてはこちらのページ(英語)をご覧ください。(日本語ページもありますが機械翻訳)

現在、Microsoftはこの不具合への対応を検討しています。

2022年11月9日以降に公開された更新プログラムをインストールすると、DirectXまたはDirect 3Dを使用する一部のエンタープライズ(企業)向けアプリにおいて、断続的にapphelp.dllのエラーが発生する場合があります。

この不具合は、Intelグラフィックスドライバのバージョン26.20.100.7463から30.0.101.1190までを使用している場合に発生します。

この不具合は、主にエンタープライズ向け環境で発生し、一般的なホームユーザー環境で発生する可能性は低いとされています。

詳細は以下の記事参照。
DirectXアプリがエラーを吐く不具合。Windows10や11等で発生。対処方法あり

バージョン30.0.101.1190よりも新しいIntelグラフィックスドライバをインストールすることで、この不具合は発生しなくなります。

また、Microsoftは、この不具合の解決に取り組んでおり、今後のアップデートで修正を予定しています。

ExplorerPatcherやStartAllBackなどのサードパーティ製のUIカスタマイズアプリを使用している環境において、Windowsが起動しなくなる恐れがあります。

この不具合はKB5022913以降(2023年3月1日以降の更新プログラム)をインストールした環境で発生する場合があります。

この不具合を回避するには、KB5022913およびそれ以降の更新プログラムをインストールする前に、サードパーティ製のUIカスタマイズアプリをアンインストールしてください。

StartAllBackを使用している場合、3.5.6以上に更新していると、この不具合を回避できるかもしれません。(※断定ではありません)

2023年1月11日以降にリリースされた更新プログラムをインストールすると、自動ログインを有効にしたキオスクモード環境において、自動的にログイン(サインイン)しない場合があります。

詳細は以下の記事参照。
キオスクモード環境で自動ログインできない不具合。Windows10やWindows11などで発生

Microsoftは本不具合の対処方法や回避策を案内していません。2023年1月11日以降の更新プログラムをすべてアンインストールすれば、本不具合は発生しなくなりますが、セキュリティ更新プログラムをアンインストールすると脆弱性が未修正のままになるため注意が必要です。

Microsoftは、不具合の解決に取り組んでおり、今後の更新プログラムで修正を予定しています。

[New]

2023年3月1に公開されたWindows11 バージョン22H2用プレビューリリースKB5022913以降の更新プログラムをインストールすると、日本語および中国語の入力に不具合が発生する場合があります。

具体的には、音声認識、表現入力(絵文字入力)、手書き入力で、一部のアプリが単語を認識できなかったり、入力を受け付けない場合があります。この不具合は、アプリがオフラインでの音声認識を使用している場合に発生しやすくなります。

詳細は以下の記事参照。
日本語入力に不具合。Windows11 22H2にて発生。対処方法あり

この不具合が発生してお困りの場合、一時的な緩和策として、PCの再起動毎に以下の操作を行ってください。

  1. この不具合が発生するアプリが起動している場合、まずはそのアプリを終了してください
  2. [CTRL] + [SHIFT] + [ESC]キーを押して、タスクマネージャーを開いてください
  3. プロセスを『名前』でソートして『CTF ローダー』(ctfmon.exe)を右クリックして、『タスクの終了』を選択

これで正常に入力できるようになるとされています。

また、現在、Microsoftは不具合の解決に取り組んでおり、今後のアップデートで修正を予定しています。