【アプデ/7】 Win7用2019年5月度『セキュリティのみ』KB4499175を適用後、ネットに繋がらない場合がある。おそらくWSUS / SCCM環境のみで発生。対処方法あり?

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2019年5月度のWindows7用更新プログラム『セキュリティのみ』のKB4499175を適用後、ネットに繋がらなくなったというご報告を企業の方よりいただきました。以下、いただいたメッセージになります。 (原文ママ)

5月度の更新プログラム:KB4499175 について、弊社内で不具合が確認されたので一応お伝えさせていただきます。

Windows7 64bit機で確認。3台中3台で症状を確認。
KB4499175をインストール後、ネットワークデバイスが不明なデバイスになる。ネットワークがつながらなくなる障害が確認されました。
対応方法として、システムの復元で戻るPCとシステムの復元自体が失敗したPCがあり、後者のPCはデバイスドライバーを手動でインストールすることで復旧しました。

不具合内容は昨年から確認されていた「マンスリー更新ロールアップ」の不具合ににています。
弊社ではこの件があって「マンスリー更新ロールアップ」は適用せずに「セキュリティのみ」を社内に配信しています。
今回「セキュリティのみ」で同様の不具合がかくにんされた為、対応に苦慮している次第です。

以上、情報提供になります。

気になったのでこの不具合について少し調べてみました。おそらくこうすればこの不具合は発生しないだろう、という推測をご紹介したいと思います。あくまで推測です。上手くいくかはわかりません。その点、ご了承くださいませ。また、この問題に該当するのはおそらく企業や組織等のWSUS / SCCM環境のみではないかと思われます。そのため、別記事にいたしました。

まず、結論から申しまして、WSUS / SCCM環境の場合はKB4499175だけでなく単品の『PciClearStaleCache.exe』も一緒に配信することでこの問題は発生しないのではないかと思われます。

ただ、当ブログは基本的に個人の方を対象としており、また、中の人はWSUSやWindows Server等についての知識がないため、詳細な手順等の案内はできません。ごめんなさい。

以下、結論に至った理由になります。割と長いです。

まずは前置きとして、『ロールアップ』のページで紹介されている話を少々。Microsoftは2019年4月度の『ロールアップ』KB4493472のページにて『PciClearStaleCache.exe』というファイルについて以下の説明をしています。

KB4493472マンスリーロールアップ更新プログラム以降、PciClearStaleCache.exeが含まれなくなります。このインストールユーティリティは内部PCIキャッシュの矛盾を修正します。これによってPciClearStaleCacheを含まないマンスリーロールアップをインストールすると、次の一覧に表示される現象が起こる可能性があります。

  • コントロールパネルネットワーク内の既存のNICの定義が、既定設定の新しいネットワークインターフェイスカード(NIC)に置き換えられることがあります。以前のNICのカスタム設定はレジストリに残っていますが、未使用の状態でした。
    ネットワークインターフェイスの静的IPアドレス設定が失われました。
    Wi-Fiプロファイル設定がネットワークのフライアウトで表示されませんでした。
    Wi-Fiネットワーク アダプターが無効の状態でした。

これらの現象は、ゲスト仮想マシンと2018年3月以降更新されていないマシン上で特によく見られるものです。

管理者は、2019年4月以降の更新プログラムをインストールするまえに、2018年4月11日(KB4093118) から2019年3月13日(KB4489878)の間にリリースされたいずれか1つ以上のマンスリーロールアップがインストール済みであることを確認する必要があります。これらの各ロールアップ更新プログラムに PciClearStaleCache.exeが含まれています。

1年ぶりにアップデートをする、とかでなければどこかの時点で『PciClearStaleCache.exe』が実行されているため特に気にする必要はありません。また、以降含まれなくなる、というのは『ロールアップ』においての話です。

で、話は『セキュリティのみ』に移りますが、2019年5月度の『セキュリティのみ』KB449175の実行ファイル『windows6.1-kb4499175-x86_6f1319c32d5bc4caf2058ae8ff40789ab10bf41b.msu』(32bit版)および『windows6.1-kb4499175-x64_3704acfff45ddf163d8049683d5a3b75e49b58cb.msu』(64bit版)を展開すると、中には『PciClearStaleCache.exe』が含まれています。

2019年5月度は『セキュリティのみ』でも上記の不具合が発生する可能性があるため同梱されているのでしょう。

しかし、それだけではなく、KB4499175のMSカタログのページには『PciClearStaleCache.exe』だけの単品のダウンロードリンクもあります。

『.msu』内に『PciClearStaleCache.exe』があるのに、なぜ単品でも公開されているのか。単品でもダウンロードする必要があるのか。どういう取り扱いをすればよいのか。これについてKB4499175の説明ページMicrosoftからの案内は何もありません。

何の案内もありませんが、今回とまったく同じシチュエーションが2018年4月にありました。 (ネット接続の不具合や『.msu』への『PciClearStaleCache.exe』の同梱・単品公開などまったく一緒) 詳細については2018年4月の記事を見ていただくとして、当時の状況を簡潔にまとめると、

  • 個人PC環境の場合は『.msu』ファイルを適用するだけでよい
    (『.msu』内の『PciClearStaleCache.exe』が正常に機能する)
  • WSUS / SCCM環境だと単品の『PciClearStaleCache.exe』も必要になってくる
    (WSUS / SCCM環境においては『.msu』内の『PciClearStaleCache.exe』が正常に機能せず、単品の『PciClearStaleCache.exe』もダウンロードする必要がある)

といったような具合でした。

で、メッセージ主様がWSUS / SCCM環境かどうかはわかりませんが、企業の方なのでおそらくそうなのではないかと。(違っていたらごめんなさい) そうだと仮定して、今回も前回同様にWSUS / SCCM環境だと単品の『PciClearStaleCache.exe』が必要になってくるのではないかと思われます。

話は冒頭の結論となりますが、WSUS / SCCM環境の場合は単品の『PciClearStaleCache.exe』も一緒に配信することでこの問題が回避できるのではないかと推測します。推測や仮定ばかりですみません。上手くいかなかったらごめんなさい。