Intel 200S Boostは1.45V仕様のDDR5メモリでは安定動作しない。メモリ電圧にご注意

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Intel 200S Boost

Intel 200S Boostは、1.45V仕様のDDR5メモリでは安定動作しないとの報告が当サイトに寄せらました。

Intel 200S Boostとは、Core Ultra 200Sプラットフォーム(Arrow Lake-S)向けの『製品保証付きの強化されたメモリオーバークロック(OC)機能』。Intel 200S Boostの詳細については以下の記事をご覧ください。

当サイトに寄せられた報告が以下。

Intel 200S Boostについてですが、モンスターハンターのベンチマークを試したところ、ブラックアウトして再起動になりました。

ASRockからの報告で、1.45V仕様のメモリでは動作しない事が分かりました。ASRockからのメール内容が以下です。

弊社の開発チームおよびV-Color社との確認の結果、TMXFCL160838KSKメモリキットは同一型番でありながら、1.4Vと1.45Vの2種類のバージョンが存在することが判明しました。

そのうち、1.4Vの新しいモジュールについては、Z890 Taichi上にてBIOSバージョン3.04OC01を使用し、Intel 200S Boostプロファイルで安定動作することを確認しております。

また、V-Color社によると、今後市場に出荷される製品は1.4Vバージョンのモジュールになる予定とのことです。

お客様がお持ちのTMXFCL1680838KSKは旧バージョン(1.45V)でございますので、Intel 200S Boostプロファイルをご使用になりたい場合は、V-Color社にご相談の上、ご確認およびご対応をいただけますようお願い申し上げます。

― ASRockテクニカルサポート

現在私は、V-ColorのCUDIMM 8000MHz 1.45V仕様のモデルを使用していますが1.4V仕様のモデルのみ対応との事です。

これは海外の掲示板でも報告があるようです。

Intel 200S BoostはXMPプロファイルで1.45V以上を使用するメモリキットには対応していません。自動的に1.4Vに設定され、変更ができなくなります。(私の環境では1.4Vに設定され、変更オプションがグレーアウトします)

ちなみに、Intel 200S Boostを使用しなくても、NGUとD2D Ratioの値を手動で32倍に設定するだけで、Intel 200S Boostと同じ効果が得られます。(※筆者注: ただしIntelによる保証はありません)

― 海外フォーラム
― 当サイトへの報告

Intel 200S Boostの対応電圧については、Intelが公開しているIntel 200S Boostの仕様表に最大1.4Vまでと記されています。VDDというのがメモリ電圧になります。

Intel 200S Boost 仕様
Intel 200S Boost 仕様

(MSIのマザーボードなんかは、BIOS / UEFI上のメモリ電圧の設定項目はVDDではなく『DRAM Voltage』と表記されているので、人によってはVDDという単語に馴染みがなく、気づきにくいかもしれません)

Intel 200S Boostを有効にすると1.45Vメモリでも強制的に1.4Vへと変更されるため、環境によっては動作が不安定になる模様です。もし、Intel 200S Boostを有効にして、動作が不安定になった場合は、一度お使いのメモリ電圧の仕様をご確認ください。

これからIntel 200S Boostの使用を前提にメモリの購入を検討されている方は、1.4V以内であることをご確認ください。

なお、DDR5-8000を超えるメモリ(例えばDDR5-8800など)でIntel 200S Boostを使用すると、自動的に動作クロックがDDR5-8000へと下がるため、この辺もご注意ください。(Intel 200S Boostは最大DDR5-8000まで対応です)

Posted by にっち