【Windows11】 WindowsUpdate 2025年11月 不具合情報 - プレビューリリース KB5070311

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日本時間で2025年11月12日にWindowsUpdateに配信されたWindows11 25H2およびWindows11 24H2用更新プログラムKB5070311の不具合情報です。

月例の翌々週以降に公開・配信される更新プログラムは『プレビューリリース』(または『プレビュー更新プログラム』)と呼ばれており、新たなセキュリティアップデートを含んでおらず、不具合の修正や機能改善のみの更新プログラムとなっています。特に問題がなければ次の月例に同梱されます。

『プレビューリリース』は文字通りに早期公開のプレビュー版なため、すぐにでも適用したい不具合の修正がない場合や、人柱になりたくない場合はスルーを推奨いたします。

以下、Windows11 25H2 / Windows11 24H2用KB5070311の不具合およびその回避策・解決策になります。

更新履歴
初版。

Windows11 25H2 / Windows11 24H2用プレビューリリース: KB5070311

基本情報

KB5070311はWindows11 バージョン25H2およびWindows11 バージョン24H2用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。

この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。

▼機能改善や修正された不具合・更新プログラムのハイライト

◆段階的ロールアウト: Copilot+ PC専用(※すぐには反映されません)

  • 設定のエージェントに以下のアップデートを行いました
    • 検索結果メニューを見やすく改善
    • おすすめ設定(Recommended settings)において、最近変更した設定に対してインラインのエージェントオプションが表示されるようになり、より素早く変更を行えるようになりました
    • 設定をこれ以上調整できない場合、ダイアログが表示されるようになりました
  • Click to Doに以下のアップデートを行いました
    • コンテキストメニューのデザインを改善
    • 画面に大きな画像や表が表示されると、コンテキストメニューが自動的に開くようになりました
  • USBカメラやノートPC内蔵カメラで、AIを活用したWindowsスタジオエフェクト(Windows Studio Effects)を利用できます。『設定』 → 『Bluetooth とデバイス』 → 『カメラ』からカメラを選択して、『カメラの詳細オプション』を開いて『Windowsスタジオエフェクトを使用する』をオンにしてください
  • ファイルエクスプローラーに以下のアップデートを行いました
    • ファイルエクスプローラーの検索ボックス内の文字を変更
    • ファイルエクスプローラーのホーム画面で、ファイル管理をより迅速に行うためのホバーアクションが、エンタープライズ向けに利用可能になりました
  • フォトアプリにおいて、セマンティック検索を使ってAIによって分類された画像・写真を見つけられるようになりました

◆段階的ロールアウト: 全Windows11 PC向け(※すぐには反映されません)

  • 『設定』 → 『システム』 → 『詳細設定』で仮想ワークスペース(Virtual Workspaces)を有効にできるようになりました
  • 壁紙(背景)を『Windows スポットライト』に設定している場合、コンテキストメニューに『この背景の詳細​​を表示』(Learn more about this background)と『次のデスクトップの背景』(Next desktop background)の2つのオプションが表示されるようになりました
  • ファイルエクスプローラーに以下のアップデートを行いました
    • ダークモード環境において、これまで白色だったダイアログなどが、ダークモードに合わせた統一感のある色合いになりました
    • コンテキストメニューがシンプルになりました。共有、コピー、移動といった一般的な操作が単一のメニューに集約されました。この変更はまずは小数のPCに提供を開始します
    • 特定のEXIFメタデータを含む動画ファイルのサムネイルが、ファイルエクスプローラーに表示されない場合がある不具合を修正
    • ツールバーがランダムに表示される不具合を修正
    • ファイルを右クリックした際、「開く」項目の横に表示されるアイコンが、そのファイルタイプの既定のアプリではなく汎用アイコンになる場合がある不具合を修正
  • ゲーム関連にアップデートを行いました。全画面表示エクスペリエンス(FSE / フルスクリーンエクスペリエンス)がさらに多くのWindows11携帯ゲーミングPC (ハンドヘルドPC)で利用できるようになりました。『設定』 → 『ゲーム』 → 『全画面表示エクスペリエンス』 → 『ホームアプリの選択』を『Xbox』に変更することで使用できます
  • 触覚フィードバックに対応したペンは、システムUIとの特定の操作時に触覚で応答を感じられるようになりました。例えば閉じるボタンにカーソル合わせたり、ウィンドウサイズを変更したりすると、振動する場合があります
  • HID準拠キーボードのバックライト性能が向上。互換性のあるキーボードにおいて、暗い場所でキーがはっきり見えるようになり、電力を節約するためにバックライトが自動調整されます
  • 『設定』 → 『Bluetooth とデバイス』 → 『モバイル デバイス』で、モバイルデバイスを追加・管理できるようになりました
  • OneDriveの新しいアイコンが、『設定』の『ホーム』と『アカウント』に表示されるようになりました
  • 『設定』で『クイック マシン リカバリー』(QMR)と『ソリューションが見つからない場合は、検索を続けます』の両方が有効になっている場合、スキャンを繰り返すのではなく、スキャンを1回だけ実行するように変更。すぐにしゅうせいが見つからない場合、QMRが最適な回復オプションを案内し、システムの復旧を支援します
  • 『設定』に以下のアップデートを行いました
    • キーボードの文字の繰り返し速度およびカーソルの点滅速度がコントロールパネルから『設定』に移動しました。前者は『設定』 → 『アクセシビリティ』 → 『キーボード』から、後者は『設定』 → 『アクセシビリティ』 → 『テキストカーソル』で変更できます
    • 『設定』 → 『システム』 → 『バージョン情報』のレイアウトを変更
    • 『ネットワークとインターネット』を開こうとすると『設定』が応答しなくなる場合がある不具合を修正
    • 『設定』の検索バーが、最小化ボタン、最大化ボタンと重なる場合がある不具合を修正
  • タスクバーとシステムトレイに以下のアップデートを行いました
    • タスクバーのアプリグループにカーソルを合わせたときに表示されるアニメーションをアップデート
    • タスクバーから直接、開いているアプリのウィンドウをCopilotと共有できるようになりました。アプリにマウスカーソルを合わせると、Copilotと共有するオプションが表示されます
    • 『タスク バーを自動的に隠す』設定が予期せずオフになる不具合を修正
    • 音声アクセスでタスクバーを正常に操作できない不具合を修正
    • タスクバーのアイコンが意図せず自動的に小さくなる不具合を修正
  • ウィジェットに以下のアップデートを行いました
    • ウィジェットボードの設定でデフォルトのダッシュボードを選択できるようになりました
    • ウィジェットナビゲーションバーのダッシュボードアイコンにアラート数が表示されるようになりました
  • Windows Shareに以下のアップデートを行いました
    • ドラッグトレイが複数ファイルの共有に対応し、より関連性の高いアプリを表示し、選択したフォルダへのファイル移動も簡単に行えるようになりました
    • 『設定』 → 『システム』 → 『近距離共有』からドラッグトレイのオン/オフを切り替えられるようになりました
    • OneDriveのファイルを他のアプリから共有できるようになりました。コピーリンクを選択すると、共有方法が表示されます。この機能を使用するにはMicrosoftアカウントにサインインしている必要があります
  • ディスプレイとグラフィックスに以下のアップデートを行いました
    • アプリがモニターの対応モードの一覧を取得する際のパフォーマンスを改善。この改善により、高解像度モニターでスタッター(カクつき)が発生していた問題が軽減されます
    • オールインワンPCにおいて、輝度のスライダーを操作すると初期の輝度に戻る場合がある不具合を修正
    • 一部のゲームにおいて「未対応の グラフィック カード が見つかりました」(Unsupported graphics card detected)と表示される不具合を修正
  • 設定内の『Game Pass』に関する表記を、最新のブランド名や特典内容へと変更
  • Windows Helloにおいて、Enhanced Sign-in Security (ESS / 強化されたサインインセキュリティ / 拡張サインインセキュリティ)が周辺機器の指紋センサーに対応しました。ESS指紋リーダーを登録するには、『設定』 → 『アカウント』 → 『サインイン オプション』から行ってください
  • 新しいスタートメニューを使用しているユーザー向けに、Windows検索パネルのサイズが新しいスタートメニューに合わせて調整しました
  • ロック画面とログイン画面に以下のアップデートを行いました
    • 新規アカウントで初めてサインインした際、動作が非常に遅くなる不具合を修正
    • ロック画面をスライドショーに設定している場合、メモリリークが発生する場合がある不具合を修正
  • ECCスマートカードログオン認証(ECC Smart Card Logon Credential)を使用している場合、ログオン時にSTATUS_NOT_SUPPORTED (0xc00000bb)が表示される場合がある不具合を修正
  • ARM版Windows (Windows on Arm)PCのPrismにおいて、AVXやAVX2を使用するアプリケーションに加え、BMI、FMA、F16Cなど命令のエミュレーションをサポート

◆通常ロールアウト(※こちらはすぐに反映されます)

  • 最新の更新プログラムをインストール後にexplorer.exeが応答しなくなる(タスクバーが反応しなくなる)不具合を修正
  • 最新の更新プログラムをインストール後、ファイルエクスプローラーで特定のSMB共有を検索できない不具合を修正
  • Local Security Authority Subsystem Service (LSASS)が不安定になる場合がある不具合を修正
  • 最新の更新プログラムをインストール後、『設定』 → 『プライバシーとセキュリティ』の『マイク』『カメラ』『位置情報』ページに移動すると、『設定』が予期せず終了する場合がある不具合を修正

補足情報

今回のKB5070311にて、特定のゲームで『Unsupported graphics card detected』と表示される不具合が修正されています。この不具合は『Forza Motorsport 6: Apex』『Forza Motorsport 7』『Forza Horizon 3』などの古いゲームで発生していました。(このメッセージが表示されてもゲーム自体はプレイできます)

不具合情報

KB5070311には以下の既知の不具合とユーザー報告の不具合があります。

既知の不具合
不具合概要回避策

ダークモード環境において、KB5070311をインストール後、ファイルエクスプローラーに問題が発生する場合があります。ウィンドウがファイルやフォルダーを読み込む前に、一瞬、白い空白の画面が表示される場合があります。

この不具合は、以下の操作を行った際にも発生する場合があります。

  • ホームまたはギャラリーへ移動。またはそこから移動
  • 新しいタブ作成時
  • 詳細ペインの表示 / 非表示を切り替えるとき
  • ファイルのコピー中に『詳細情報』を選択したとき

現在、Microsoftはこの不具合の解決に取り組んでいるとのことです。

本不具合回避策は案内されていませんが、実際の使用において大きな問題とはならないため、Microsoftが修正するまで待つか、どうしても気になる場合はダークモードではなくライトモードへの変更をご検討ください。

ロック画面の『サインインオプション』に、パスワードアイコンが表示されない場合があります。

この不具合は、日本時間で2025年8月30日にWindows Updateに配信されたプレビューリリースKB5064081以降をインストールした環境で発生が確認されています。

なお、この不具合はすべての環境で発生するわけではありません。発生する場合としない場合があります。

詳細は以下の記事参照。
ロック画面にパスワードアイコンが表示されない不具合。Windows11 25H2 / 24H2にて発生。KB5068861などの更新プログラムに起因

本来パスワードアイコンがある場所にマウスカーソルを合わせるとボタンが表示されるので、そのボタンを押せばパスワードの入力欄が表示されます。パスワード入力後は普通にサインインができます。

現在、Microsoftはこの不具合の解決に取り組んでいるとのことです。

ユーザー報告
不具合概要回避策

刷新された新しいスタートメニューで以下2つの不具合が発生しています。

不具合1: スタートメニューを下の方にスクロールしてアプリを選択すると、スタートメニューが勝手に一番上に戻って、マウスカーソルがある別のアプリが選択されてしまいます。

不具合2: インストールしたアプリがスタートメニューに登録されない、アンインストールしたアプリがスタートメニューから消えない場合があります。この不具合はスタートメニューにフォルダを作成するアプリでのみ発生します。

詳細は以下の記事参照。
新しいスタートメニューに不具合。勝手に上に移動したり、インストールしたアプリが表示されないなど。KB5067036を適用したWindows11 25H2 / 24H2で発生

不具合1は、PCを起動して1回目にスタートメニューを開いた際にのみ発生します。PC起動後、一度スタートメニューを開いて閉じてください。これでこの不具合を回避できます。

不具合2はPCを再起動するか、タスクマネージャーから『エクスプローラー』(explorer.exe)を『再起動』すればスタートメニューにインストールしたアプリが表示され、アンインストールしたアプリが消えます。

日本時間で2025年11月12日に配信されたセキュリティ更新プログラムKB5068861以降をインストール後、ファイルエクスプローラーのネットワークにPCが表示されない場合があります。

この不具合はESET製品をインストールしている環境で発生します。

詳細は以下の記事参照。
エクスプローラーのネットワークにPCが表示されない不具合。KB5068861以降インストール後に発生。ESETに起因

ESET製品を取り扱うキヤノンによると、修正モジュールの配信に取り組んでいるとのこと。今後のESET製品のアップデートで修正が見込まれています。

もし、ESET側の修正を待てない場合はKB5070311 (今回のプレビューリリース) / KB5068861をアンインストールして、改善するかご確認ください。