【Windows11】 WindowsUpdate 2023年1月 不具合情報 - プレビューリリース KB5022360 [Update 4]

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Windows11 - WindowsUpdate

2023年1月27日にWindowsUpdateに配信されたWindows11 バージョン22H2用更新プログラムKB5022360の不具合情報です。

月例の翌週以降に公開・配信される更新プログラムは『プレビューリリース』と呼ばれており、新たなセキュリティアップデートを含んでおらず、不具合の修正や機能改善のみの更新プログラムとなっています。特に問題がなければ次の月例に同梱されます。

『プレビューリリース』は文字通りに早期公開のプレビュー版なため、すぐにでも適用したい不具合の修正がない場合や、人柱になりたくない場合はスルーを推奨いたします。不具合の修正内容の詳細については各更新プログラムのリンク先よりご確認くださいませ。

以下、2023年1月27日に公開された更新プログラムの不具合およびその回避策・解決策になります。『.NET Framework』など、その他の更新プログラムやWindows Server固有の不具合は割愛しています。

更新履歴
① 『備考』を加筆。 [2023/2/1]
② DirectXアプリがエラーを吐く不具合(既知の不具合)を加筆。 [2023/2/9]
③ 2023年2月24日付け(現地時間)でMicrosoftがDirectXアプリがエラーを吐く不具合の内容を変更。主にエンタープライズ(企業)向け環境で発生するとのこと。それに伴い、当該不具合の内容を改訂。 [2023/2/25]
④ キオスクモード環境で自動的にログインしない既知の不具合を加筆。 [2023/3/17] [New]

Windows11 22H2用プレビューリリース: KB5022360

基本情報

KB5022360はWindows11 バージョン22H2用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。

この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。

▼機能改善や修正された不具合・更新プログラムのハイライト

  • Microsoft Exploit Protection Export Address Filtering (EAF)を使用する環境において、Microsoft OfficeやAdobe Readerなどの一部アプリケーションが応答しなくなる不具合を修正
  • Input Method Editor (IME)がアクティブ時に、マウスとキーボードを同時に使用するとアプリケーションがフリーズする不具合を修正
  • 日本語や中国語、韓国語などのマルチバイト文字セットの言語で入力する際、文字の変換が正常に行われない不具合を修正
  • タスクバーの検索を使用して見つけた画像ファイルを開けない不具合を修正
  • 正常にファイル検索できない不具合を修正
  • リモートデスクトップアプリが応答しない・接続できない・切断される不具合を修正
  • 一部のゲームコントローラーを接続すると、PCがスリープモードにならなくなる不具合を修正
  • .NET Frameworkのプレビューリリースをインストールするかどうか選択できるように改善
  • サインイン・サインアウトがランダムに停止する不具合を修正
  • リソースの競合(デッドロック)が発生する不具合を修正
  • conhost.exeが応答しなくなる不具合を修正
  • TPMを搭載している環境において、AutoPilotを使用してシステムのセットアップができない不具合を修正
  • Microsoft Edge WebView2を使用してコンテンツを表示するアプリ(Microsoft Officeやウィジェットなど)が空白またはグレーで表示される不具合を修正

備考 [2023/2/1]

Microsoftが公開しているKB5022360のページに書かれている既知の不具合の内容は間違ってます。KB50222360のページには既知の不具合として「プロビジョニングパッケージを使用した場合OOBEが完了しない」不具合があると書かれていますが、これは2022年11月30日に公開されたKB5020044にて修正されました。このことは、Microsoftが別途公開している不具合情報のページに記されています。

しかし、KBページでは未だに古い情報が掲載され続けています。KBページと不具合情報ページとで担当者が違うのか、MicrosoftはたびたびKBページの更新を忘れて古い情報を掲載したままにすることがあります。(逆もたまにありますが)

『プロビジョニングパッケージを使用した場合OOBEが完了しない不具合』は修正されましたが、その後、すぐに『プロビジョニングパッケージを使用するとすべてのアプリがインストールされない不具合』が新たに発生しているため、KBページ担当者は区別が付いていないのかもしれません。

そのうち修正されるだろうと思っていましたが、今回は一向に修正されないため、一応記しておきます。

以下の『既知の不具合』は、KB5022360ページの誤った古い内容ではなく、最新情報に基づいた内容になります。

不具合情報

KB5022360には以下の既知の不具合があります。

既知の不具合
不具合概要回避策

プロビジョニングパッケージを使用してWindows11 バージョン 22H2 (Windows 11 2022 Updateとも呼ばれる)をインストールすると、すべてのアプリケーションがインストールされない場合があります。管理者権限が正常に付与されないためにこの不具合が発生します。

プロビジョニングパッケージは多数のPCにOSを展開する仕組みで、主に企業や組織等を対象にしたものです。プロビジョニングパッケージを使用しない場合(普通にインストールする場合)はこの影響を受けません。

また、Windows Autopilotを使用するWindows PCのプロビジョニングもこの問題の影響を受けません。

(※この不具合は更新プログラム固有の不具合ではなく、Windows11 22H2自体の不具合です)

詳細は以下の記事参照。
プロビジョニングパッケージにまた新たな不具合。Windows11 22H2にて発生

インストールされなかったアプリは、管理者権限でインストールするようMicrosoftは案内しています。

リモートコンピューター(例えばSMB経由)からWindows11 バージョン22H2マシンに大きなファイル(数GB)をコピーする際、本来より40%ほど低速になる場合があります。この不具合はローカルでのファイルコピーでも発生する可能性があります。

詳細は以下の記事参照。
ファイルコピー速度が40%も遅い不具合。Windows11 バージョン22H2で発生

一時的な回避策として、『robocopy』または『xcopy』に『/J』のパラメーターを付けてコマンドプロンプトなどからファイルコピーを行うようMicrosoftは案内しています。コマンド例が以下。

robocopy \\someserver\someshare c:\somefolder somefile.img /J
xcopy \\someserver\someshare c:\somefolder /J

コマンドを打つのが面倒だったり、あまりの遅さに我慢できない場合は、Windows11 21H2へのロールバックをご検討ください。Windows11 21H2から22H2へとアップデートした環境であれば、

Windows11 22H2から21H2へと戻す方法

『設定』 → 『システム』(左側) → 『回復』(右側) → 『復元』の『戻す』を押して、そのまま進めていけば21H2に戻せます。

現在、Microsoftは修正に取り組んでいるとのことです。

2022年10月12日以降にリリースされた更新プログラムをインストールすると、ドメイン参加に『0xaac (2732): NERR_AccountReuseBlockedByPolicy』エラーで失敗する場合があります。

詳細は以下の記事参照。
KB5018410やKB5018482などに複数の不具合。ドメイン参加に失敗、OneDriveが突然終了

この不具合は、2022年10月12日の更新プログラムでの仕様変更に起因しています。この不具合は一般ユーザーが影響を受けることはほぼありません。

この不具合の詳細についてはこちらのページ(英語)をご覧ください。(日本語ページもありますが機械翻訳)

現在、Microsoftはこの不具合への対応を検討しています。

2022年11月9日以降に公開された更新プログラムをインストールすると、DirectXまたはDirect 3Dを使用する一部のエンタープライズ(企業)向けアプリにおいて、断続的にapphelp.dllのエラーが発生する場合があります。

この不具合は、Intelグラフィックスドライバのバージョン26.20.100.7463から30.0.101.1190までを使用している場合に発生します。

この不具合は、主にエンタープライズ向け環境で発生し、一般的なホームユーザー環境で発生する可能性は低いとされています。

詳細は以下の記事参照。
DirectXアプリがエラーを吐く不具合。Windows10や11等で発生。対処方法あり

バージョン30.0.101.1190よりも新しいIntelグラフィックスドライバをインストールすることで、この不具合は発生しなくなります。

また、Microsoftは、この不具合の解決に取り組んでおり、今後のアップデートで修正を予定しています。

[New]

2023年1月11日以降にリリースされた更新プログラムをインストールすると、自動ログインを有効にしたキオスクモード環境において、自動的にログイン(サインイン)しない場合があります。

詳細は以下の記事参照。
キオスクモード環境で自動ログインできない不具合。Windows10やWindows11などで発生

Microsoftは本不具合の対処方法や回避策を案内していません。2023年1月11日以降の更新プログラムをすべてアンインストールすれば、本不具合は発生しなくなりますが、セキュリティ更新プログラムをアンインストールすると脆弱性が未修正のままになるため注意が必要です。

Microsoftは、不具合の解決に取り組んでおり、今後の更新プログラムで修正を予定しています。