Phison、Windows11 24H2でSSDが認識しなくなる不具合を再現できなかったと発表
Phisonは、Windows11 24H2でSSDが認識しなくなる不具合を再現できなかったことを発表しました。
事の発端とその後の経緯
事の発端
Windows11 24H2において、数十GBの大容量の単体ファイルや、合計数十GBになる大量のファイルをSSDにコピーすると、そのSSDが認識しなくなるという不具合が一部のユーザーから報告されています。多くの場合は再起動で再認識するようになりますが、中には再起動しても認識せず、アクセス不能となる事例も確認されています。
この不具合は、2025年8月13日のセキュリティ更新プログラムKB5063878や、2025年7月23日のプレビューリリースKB506266が怪しいと見られていますが確固とした原因は判明していません。
この不具合は、X (旧Twitter)ユーザーのねこるすきー氏の報告を皮切りに、同氏以外にも複数のXユーザーから同様の不具合が発生したと報告されていました。また、ねこるすきー氏は21台ものSSDでの検証結果を共有しました。
なお、この不具合はあくまでも一部のSSD環境での発生が報告されており、すべての環境で発生するものではありません。本件の詳細については以下の記事をご覧ください。
その後の経緯
PC Watchは2025年8月20日朝にPhisonに取材を行い、「この不具合はPhisonのSSDコントローラーに起因するものではなく、Windows側の不具合と判明したため、Microsoftが修正作業を行っている」との回答を得たと報じました。
さらにその後、海外メディアのBleeping Computerが2025年8月20日(現地時間。日本時間ではおそらく21日)にMicrosoftから得た回答として、Microsoftは「不具合を再現できていない」と述べたと報じており、PC WatchとBleeping Computerとの報道とで、情報・内容に齟齬が生じていました。
また、Microsoftは、本不具合が発生したユーザーに対して、法人向けサポートや『フィードバック Hub』を通じてフィードバックを求めています。
本題: Phison社からの新たな発表
本題です。本不具合報告について、SSDコントローラーメーカーであるPhisonから新たな発表がありました。Phisonの発表が以下。
2025年8月18日にもお知らせしたとおり、弊社(Phison)はWindows11 24H2の更新プログラム、KB5063878およびKB5062660が、弊社のサポートする製品を含む一部のストレージデバイスに影響を及ぼす可能性があるとの報告を認識しています。この報告を受けて、弊社は影響を受ける可能性が指摘されたドライブに対して、累計4,500時間以上、2,200回以上のテストサイクルを行いました。その結果、報告された問題を再現することはできず、現時点でパートナー企業や顧客からも影響があったとの報告は受けておりません。 弊社は引き続き最高水準の信頼を追及し、業界パートナーと連携しながら状況を注視してまいります。 ▼エンドユーザー向けのベストプラクティス 弊社の検証ではWindows11 24H2の更新プログラムに関連する懸念は確認されませんでしたが、高性能ストレージデバイスをご利用いただくために、業界におけるベストプラクティスを共有いたします。特に大容量ファイルの転送や大きなサイズのアーカイブの解凍といった負荷の高い作業を行う場合には、ストレージデバイスに適切なヒートシンクやサーマルパッドをご使用いただくことを推奨いたします。これにより、動作温度を最適に保ち、サーマルスロットリングが発生する可能性を低減させ、安定したパフォーマンスを維持することができます。 ご質問やトラブルシューティングのご相談がある場合は、弊社メールアドレス『support@phison.com』までご連絡ください。 |
上記は海外メディアのWCCF TECHを通じてアナウンスされました。Phisonによると、Microsoftと同様にPhison側でも本不具合の再現ができなかったとのこと。
エンドユーザー向けの一般的なアドバイスとして、高性能なSSDは熱によりサーマルスロットリングが発生する場合があるため、サーマルパッドやヒートシンクの使用を推奨しています。
また、Phisonは、業界パートナーと連携しながら状況を注視していくとしています。