KB5000802 / KB5000808適用後、印刷時にブルースクリーン(BSoD)が発生する不具合。回避策あり [Update 6: 修正]

WindowsUpdate

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最初にお読みください [2021/3/19] ◆

印刷時のブルースクリーンや、その他印刷に関する不具合は、2021年3月19日に配信された20H2 / 2004用KB5001649、1909用KB5001648にて修正されました。詳細は以下の記事をご覧ください。

  印刷時の中抜けや白紙出力など、印刷の不具合を修正。KB5001649 / KB5001648が緊急リリース

下記の内容は修正される前の内容になります。

2021年3月10日にWindowsUpdateに配信されたWindows10 バージョン20H2 / 2004用KB5000802、または、バージョン1909用KB5000808を適用後、一部環境にて、印刷を行うとブルースクリーンエラー(BSoD)が表示されて強制的に再起動がかかり、印刷ができない不具合が発生しています。

この不具合はツイッターやMicrosoftコミュニティ、Redditなど、あらゆるところで多数報告されており、京セラ、Zebra、リコーなどのプリンター使用環境で発生が確認されています。

暫定的ではありますが、確実な回避策としてはKB5000802 / KB5000808をアンインストールすることで、正常に印刷ができるようになります。不具合にお困りの方はお試しくださいませ。

アンインストール方法は、『設定』 → 『更新とセキュリティ』 → 『Windows Update』の『更新の履歴を表示する』 → 『更新プログラムをアンインストールする』 → インストールされた更新プログラムが表示されるので、該当の更新プログラム(KB5000802またはKB5000808)を右クリックすればアンインストールができます。

ただし、これらの更新プログラムはセキュリティアップデートのため、アンインストールすると脆弱性が未修正のままになることには注意が必要です。 KB5000802 / KB5000808を適用したままにしておきたい場合は、その他の回避策として以下があります。

  • 京セラプリンターの場合は別ドライバを使用
  • その他のプリンターの場合はType 4プリンタードライバを使用
  • Microsoftが公開した回避策(上級者向け)を行う

これら回避策の詳細は、本記事に記しておりますので読み進めていってください。

更新履歴
① 京セラ、Zebra、リコーなどのプリンター使用環境で発生している模様。その旨、加筆。 [2021/3/10]
② Microsoftが調査を開始。再配信開始(ファイルに変更なし)。その旨加筆。 [2021/3/11]
③ 京セラが同社製プリンターでの回避策を発表。その旨加筆。 [2021/3/12]
④ Microsoftが不具合の詳細と暫定的な回避策を公開。修正の見込みも案内。その旨加筆。 [2021/3/14]
⑤ KB5001567 / KB5001566にてBSoDの不具合が修正された旨を記事冒頭に加筆。 [2021/3/16]
⑥ KB5001649 / KB5001648にてBSoDおよび印刷に関する不具合が修正された旨を記事冒頭に加筆。 [2021/3/19] [New]

2021年3月11日よりMicrosoftが調査を開始 [2021/3/11]

2021年3月11日、MicrosoftはKB5000802およびKB5000808に以下の既知の不具合を加筆しました。

この更新プログラムをインストールした後、一部のアプリケーションで特定のプリンターから印刷しようとすると『APC_INDEX_MISMATCH』エラーでブルースクリーンが発生する場合があります。本件について、現在調査を行っており、詳しい情報が入り次第お知らせいたします。

Microsoftによると現在この不具合の調査を行っているとのこと。

KB5000802とKB5000808は2021年3月10日には配信が一時停止されていましたが、3月11日より、配信が再開されています。何かしらの修正があったのか気になるところですが、Microsoft Insiderのツイッターアカウントは「何も変更はない」と述べており、不具合は継続しています。

そのため、この不具合によりすでにアンインストールした方は、再びインストールするとまた症状が再発するためお気をつけください。

京セラが同社製プリンターでの回避策を発表 [2021/3/12]

本不具合について、京セラが発表を行いました。京セラによると、同社が公開している別のドライバを使用することでも不具合を回避できるとのこと。以下、京セラの発表になります。

Windowsアップデート後から「印刷を行うとブルースクリーンエラーが表示されて強制的に再起動がかかり、印刷ができない不具合」について

平素は弊社製品をご愛顧いただき厚く御礼申し上げます。

現在、Windowsをご使用のお客様におかれまして、2021年3月10日にマイクロソフト社より配信されました更新プログラム適用後に、印刷を行うとブルースクリーンエラーが表示されて強制的に再起動がかかり、印刷ができない不具合が発生しています。

その影響により、コンタクトセンターの受付窓口に、お問合せの電話が増加しており、非常に繋がりにくい状態が続いております。

お客様にはご不便とご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。

また、本件に対する回避方法として、異なるタイプのプリンタードライバーのご使用をご案内させて頂いております。インストール方法を「よくあるお問合せ」に掲載しておりますので、ご活用のほど、何卒よろしくお願いいたします。

リンク:
PCL-Miniドライバーインストール方法

KB5000802またはKB5000808をアンインストールすることでも不具合は回避できますが、アンインストールすると脆弱性が未修正になるため、京セラのプリンターをお使いの方は、別ドライバの使用も検討してみてはいかがでしょうか。

Microsoftが不具合の詳細と暫定的な回避策を公開。修正の見込みも案内[2021/3/14]

Microsoftは、本不具合の詳細および暫定的な回避策を公開しました。

まず、本不具合ですが、Type 3プリンタードライバにのみ影響するとされています。Type 4プリンタードライバは影響を受けないため、そちらが利用可能な場合は、ドライバを変更することで回避が可能です。

使用しているドライバがType 3かType 4かわからない場合は、[Windowsキー] + [Rキー]を押して『ファイル名を指定して実行』を開き、『printmanagement.msc』と入力してエンターを押すと、『印刷の管理』が開くので『プリンター』の『ドライバーの種類から確認』できます。

『印刷の管理』からドライバがType 3かType 4かを確認できる
『印刷の管理』からドライバがType 3かType 4かを確認できる

また、ドライバの変更ができない場合や、KB5000802 / KB5000808のアンインストールをしたくない場合は、以下に記している『Microsoftが公開した回避策』を行うことでも、不具合を回避できます。

ただし、この回避策には注意点があります。Microsoftからは変更した設定を元に戻す方法は案内されていません。そのため、何かあっても自分で元に戻せる場合にのみ実行することが推奨されます。よくわからない場合は修正された更新プログラムが提供されるのを待った方が良いでしょう。

Microsoftによると、2021年3月14日~3月21日頃には修正を提供できる見込みとのことです。

以下、『Microsoftが公開した回避策』になります。

Microsoftが公開した回避策

64bit OSで、32bitアプリケーションから印刷を行う場合

1. 64bit OSを使用していて、32bitアプリケーションから印刷する場合は、以下の手順で不具合を回避できます。まず、『設定』 → 『デバイス』 → 『プリンターとスキャナー』から、問題を起こすプリンター名をメモします。

不具合の原因となっているプリンター名をメモする

2. コマンドプロンプト(管理者)から以下のコマンドを実行します。『KX DRIVER for Universal Printing』の部分は、『1.』でメモしたものを書いてください。

rundll32 printui.dll,PrintUIEntry /Xg /n "KX DRIVER for Universal Printing"

3. 上記コマンド実行後、ウィンドウが開くので、『Attributes』が『Direct』になっているか確認します。

『Attributes』が『Direct』になっているか確認

4. 『Attributes』が『Direct』になっていない場合、以下のコマンドを実行することで『Direct』になります。

rundll32 printui.dll,PrintUIEntry /Xs /n "KX driver for Universal Printing" attributes +direct

5. 『3.』のコマンドを再度実行すると、『Attributes』が『Direct』になっていることが確認できます。

『Attributes』が『Direct』になる

6. これで64bit OS上で32bitアプリ(例えばAcrobatやOpenOfficeなど)からの印刷は正常に行えるようになります。

64bit OSで64bitアプリ、32bit OSで32bitアプリから印刷を行う場合

1. 64bit OSを使用していて64bitアプリから、または、32bit OSを使用していて32bitアプリから印刷する場合は、以下の手順を行うことで不具合を回避できます。ただし、上級者向けとなっています。まず、『Windows ADK for Windows 10、バージョン 2004 のダウンロード』をダウンロードしてインストールします。インストールの途中でインストールを行う機能の選択画面が表示されるので『アプリケーション互換性ツール』にチェックを入れます。

『アプリケーション互換性ツール』にチェックを入れる

2. インストール完了後、スタートメニューから『Compatibility Administrator』を起動します。画像の例では64bitを選択していますが、使用OSが32bitの場合は32bitを選択してください。

スタートメニューから『Compatibility Administrator』を起動

3. 『Compatibility Administrator』を開いたら、『Custom Databases』の下にある『New Database(1) [Untitled_1]』を右クリック → 『Create New』 → 『Application Fix』を選択します。

『Custom Databases』 → 『New Database~』を右クリック → 『Create New』 → 『Application Fix』

4. 任意のアプリ名とメーカー名を入力して、不具合を発生させたくないアプリを選択して『次へ』を押します。この例では『Microsoft Edge』からの印刷を想定して入力していきます。

不具合を発生させたくないアプリを選択

5. 『Compatibility Modes』の画面では何もせずに『次へ』を押します。

『Compatibility Modes』の画面では何もせずに『次へ』

6. 『Compatibility Fixes』の画面では『PrinterIsolationAware』にチェックを入れて『次へ』を押します。

『Compatibility Fixes』の画面では『PrinterIsolationAware』にチェックを入れて『次へ』

7. 『Matching Information』の画面では何もせずに『完了』を押します。

『Matching Information』の画面では何もせずに『完了』

8. 『Save』を押して任意の名前を入力して保存します。この例では『Microsoft Edge』と入力しています。『OK』を押すと保存先が指定されるので、任意の場所とファイル名を指定してください。

『SAVE』を押して任意の名前で保存

9. 『8.』で作成した『Microsoft Edge』が表示されるので、これを右クリックして『Install』を選択すると完了です。これでMicrosoft Edgeからの印刷は正常に行われるようになります。

『Microsoft Edge』を右クリックして『Install』を選択すると完了