Intel第13~14世代CPU劣化の不具合はまだ終わっていない。新たに0x12Fマイクロコードがリリース。0x12Bは最終ではない
Intelは、第13世代および第14世代CPUが不安定になる不具合(通称: Vmin Shift)をさらに修正した0x12Fマイクロコードをリリースしました。
事の発端
Intelの第13世代および第14世代CPUには、CPUが劣化して動作が不安定になるという不具合があります。劣化してしまったCPUは元に戻ることはなく、返品・交換するしかありません。Intelの公式発表では、この不具合を抱えているCPUは以下のデスクトップCPUだけとされています。
- 不安定になる影響を受ける製品
- Core i9-13900K / KF / KS / F / Kなし(無印)
- Core i7-13700K / KF / F / Kなし(無印)
- Core i7-13790
- Core i5-13600K / KF
- Core i9-14900K / KF / KS / F / Kなし(無印)
- Core i7-14700K / KF / F / Kなし(無印)
- Core i7-14790
- Core i5-14600K / KF
これまでIntelは、この不具合の発生を未然に防ぐために、マイクロコード(BIOSアップデート)をリリースしてきました。2024年9月には0x12Bマイクロコードがリリースされました。
メディア各所は揃って「0x12Bマイクロコードをもって最終的に解決した」といったような内容を報じていましたが、Intelからはそんな発言は一言もありませんでした。この件については少々蛇足なので興味ございましたらこちらの記事をご覧ください。
新たに0x12Fマイクロコードをリリース
で、結局のところ、0x12Bでは完全には解決しておらず、Intelは新たに0x12Fマイクロコードをリリースしました。Intelの新たな発表が以下。
▼Intel第13世代および第14世代Core CPUの不安定性(Vmin Shift)に関する最新情報: 新しい0x12Fマイクロコード 当社(Intel)は、製品の継続的な改善の一環として、2024年9月にリリースした0x12Bマイクロコードアップデートを補完する新しい0x12Fマイクロコードアップデートをリリースいたします。 低負荷で使用スレッド数の少ないワークロードを数日間連続で実行するとVmin Shiftを引き起こす可能性があり、新しい0x12Fマイクロコードアップデートは、この問題を改善いたします。 Vmin Shiftが発生する根本的な原因に関しては以前から変わりありません。 0x12FマイクロコードアップデートによるCPU性能への影響は確認されていません。 当社は、第13世代および第14世代Coreデスクトッププロセッサーをお使いのすべてのユーザーに対して、Vmin Shift発生のリスクを軽減するため、最新のBIOSアップデートを適用し、BIOS / UEFI設定で『Intel Default Settings』プロファイルを使用することを推奨いたします。 ― Intel |
低負荷で使用スレッド数の少ないワークロードを数日間連続で実行していると、CPUが劣化し、不安定になる恐れがあるため、0x12Fマイクロコードを内包したBIOSへとアップデートするようIntelは案内しています。
『低負荷で使用スレッド数の少ないワークロードを数日間連続で実行』って、PCを24時間365日起動している人なんかは結構当てはまるんじゃないでしょうか。バックグラウンドで何らかのアプリを実行していたり、低負荷ないしフレームレートを制限したゲームを起動しっぱなしにしていたりなど。筆者は見事にこれに当てはまります。常時PCを起動しており、低負荷がかかり続けています。(第13~14世代CPUではありませんが)
Intel第13~14世代CPUをお使いの方で、このような使い方をされている方はお気をつけください。こういった使い方をしている場合、2024年9月の0x12BマイクロコードではCPUの劣化を防げません。
お使いのマザーボードメーカーから0x12Fマイクロコードを内包したBIOSアップデートがリリースされるまで、そういった使い方は避けた方が良いでしょう。BIOSアップデートの公開時期については各マザーボードメーカーにお問い合わせください。