Gigabyte製グラボのサーマルゲル問題、海外では代理店が無償対応。最大7年保証の良対応。一方、日本では
Gigabyte製グラボのサーマルゲル問題に新たな進展がありました。
事の発端
Gigabyte製のGeForce RTX 5000シリーズやRadeon RX 9000シリーズには、基板とGPUクーラーとの間に、一般的なサーマルパッドではなく、サーマルゲル(Thermal conductive gel / 熱伝導性ゲル)と呼ばれるゲル状のものを採用しています。
グラボを縦置き(垂直設置)した際、わずか1か月でこのサーマルゲルが以下のように垂れて落ちてきたというユーザー報告が出ており問題になっています。
サーマルゲルが垂れ落ちてきたGeForce RTX 5080
上記の写真ではPCIeスロット付近ギリギリにまでサーマルゲルが垂れ落ちてきており、気づくのが遅ければPCIeスロットへと接触していた可能性があります。
本件についてGigabyteの公式発表によると、初期ロットのGeForce RTX 5000シリーズにはサーマルゲルが多めに塗布されているためこのような現象が発生するとのこと。また、サーマルゲルが垂れ落ちたとしてもグラボの性能には影響しないとされています。
しかし、垂れ落ちてきたサーマルゲルはどうすればい良いのか、また、本影響を受けるロットに対してのリコールや、修理・交換といった対応について、Gigabyteからの言及は一切ありませんでした。
本件の詳細については以下の記事をご覧ください。
海外では代理店が対応
上述の通り、Gigabyteはこの問題への対応に関する言及をしていません。Gigabyteとしては特に何も対応する気がないように見受けられます。
一方、海外では、代理店側でこの問題に対する対応が発表されました。韓国の正規代理店、JCH Systemsは以下のように述べています。
皆様こんにちは、Gigabyte公式輸入代理店のJCH Systemsです。 Gigabyte GeForce RTX 5000シリーズおよびRadeon RX 9000シリーズの一部ロットで発生している熱伝導性ゲル(以下、サーマルゲル)問題に関するカスタマーサービスポリシーについてご案内いたします。 1.) 対象 Gigabyte GeForce RTX 5000シリーズ / Radeon RX 9000シリーズのご購入者で、サーマルゲルが過度に広がりを見せていたり、それに起因する発熱問題が確認された場合。 2.)カスタマーサービスポリシー サーマルゲルを再塗布するためのコンポーネントの確保が完了する2025年5月12日より、以下の対応を施行いたします。 2-1)無償保証期間内 サーマルゲルを無償で再塗布させていただきます。再塗布の回数に制限はありません。往復送料もこちらで負担いたします。 2-2)無償保証期間後 サーマルゲルの問題に関してのみ、+3年間の追加保証を行います。引き続き、無償でサーマルゲルを再塗布させていただき、往復送料もこちらで負担いたします。(AORUSサイトにグラボの製品登録をして、無償保証期間が4年の場合、3年間の再塗布保証期間を加えると、最大7年間、無償対応いたします) 2-3)無償保証期間と再塗布追加保証期間終了後 完全に保証期間が過ぎた後は、有償にてサーマルゲルを再塗布させていただきます。料金は1回につき2,000ウォンです。(※日本円にして約200円) 往復送料はお客様にてご負担いただきます。 ― JCH Systems |
JCH Systemsによると、最大7年間、無償でサーマルゲルの再塗布を行うとのこと。代理店側での対応としては、非常に質の高いアフターサービスと言えるのではないでしょうか。
保証期間終了後も、日本円にして約200円+送料で再塗布を行うとのことでかなり良心的です。
Gigabyteの日本国内正規代理店はCFD販売株式会社ですが、残念ながらCFDから上記のようなアナウンスは今のところありません。
だからといってCFDに非はなく、本来ならGigabyte側で上記のような対応をワールドワイドでアナウンスするべきです。