グラボのGDDR6メモリガチャ、XFXから新たな情報。Radeon RX 9000シリーズはSK hynix製とSamsung製、どちらが『当たり』なのか
Radeon RX 9000シリーズグラボのGDDR6メモリガチャについて新たな情報が出てきました。
前置き: GDDR6メモリガチャについて
2025年6月12日、Radeon RX 9070 XTに搭載されているVRAM GDDR6メモリは、Samsung製より、SK hynix製の方がわずかに(約1~2%)高パフォーマンスであることが中国のテックレビュアーである51972氏により明らかになりました。
Radeon RX 9070 XT: Speed Wayスコア
海力士=SK hynix / 三星=Samsung
同クロック帯ではSK hynixのがわずかに高性能
また、51972氏がAMD Chinaに確認したところ、このようなパフォーマンス差が生じているのはSamsung製GDDR6メモリに起因しているとの回答を得たと述べています。そのため、パフォーマンスを求めるユーザーにとってはSK hynix製が『当たり』というGDDR6メモリガチャ状態となっていました。(どこのメーカーのGDDR6メモリが採用されているかは、基本的には購入してGPU-Z等で確認するまでわかりません)
本件の詳細については以下の記事をご覧ください。
本題: XFXがSamsung製GDDR6メモリの利点を発表
本題です。XFXがSamsung製GDDR6メモリの利点を発表しました。その内容が以下。
これまで弊社(XFX)は、Radeon RX 9060 XTにおいてSK hynix製のGDDR6メモリを採用していましたが、今回、新たに発売したRadeon RX 9060 XT V3モデルではSamsung製GDDR6メモリへと変更いたしました。 この変更により、GDDR6メモリの温度が低下したほか、消費電力やGPUクーラーのファン回転数も低下しました。 FurMark 4K環境での1時間のストレステストにおいて、SK hynix製ではGDDR6メモリが87℃、消費電力が207W、ファン回転数が1814RPMだったところ、Samsung製ではGDDR6メモリが77℃、消費電力が183W、ファン回転数が1461RPMへと低下しました。 Samsung製GDDR6メモリを搭載したRadeon RX 9060 XTは、より低温・より低消費電力・より静かなクーラー音でSK hynix製と同等の性能を発揮できます。 客観的に見て、SK hynix製の方がハイエンド帯で競争力を持っていることは確かです。しかし、Samsung製は温度・安定性・静音性の3つの面で優れています。この改善は、カタログスペックの数値以上に、ユーザーエクスペリエンスに影響を与えます。 ― XFX |
XFXによると、Samsung製GDDR6メモリの方が温度と消費電力が低く、それに伴ってGPUクーラーのファン回転数も低下して静音性が高くなることから、実際の使用において良好なユーザーエクスペリエンスを得られるとされています。
その一方で、XFXは「同等」としながらも「SK hynix製の方がハイエンド帯で競争力を持っている」と述べており、SK hynix製の方が若干高性能をであることを暗に認めています。
51972氏によるテストでは、約1~2%ほどSK hynix製GDDR6メモリの方が3DMark Speed Wayで高スコアを示しました。一方、XFXはSamsung製GDDR6メモリには上記のような利点があることをアピールしています。
性能を求めるならSK hynix、低温・低消費電力・静音性を求めるならSamsung、皆様にとってはどちらのGDDR6メモリが『当たり』でしょうか?