MS、Windows11 24H2でSSDが認識しなくなる不具合を再現できず。フィードバックを求める
Microsoftは、Windows11 24H2で発生しているSSDが認識しなくなる不具合を再現できなかった模様です。
事の発端
Windows11 24H2において、数十GBの大容量の単体ファイルや、合計数十GBになる大量のファイルをSSDにコピーすると、そのSSDが認識しなくなるという不具合が報告されています。多くの場合は再起動で再認識するようになりますが、中には再起動しても認識せず、アクセス不能となる事例も確認されています。
この不具合は、2025年8月13日のセキュリティ更新プログラムKB5063878や、2025年7月23日のプレビューリリースKB506266が怪しいと見られていますが確固とした原因はまだわかっていません。詳細については以下の記事をご覧ください。
本題: Microsoftは不具合を再現できなかった
本題です。この不具合について、Microsoft側では再現できなかった模様です。海外メディアのBleeping Computerは以下のように報じています。
Microsoftは2025年8月20日(水)に、私たちに対してKB5063878をインストールした環境において、SSDやHDDにデータ破損や障害が発生するという不具合が報告されていることを認識していると述べた。しかし、Microsoft側ではこの不具合を再現できなかったため、現在、影響を受けたユーザーから追加情報を含むユーザーレポートを収集中だという。 Microsoftは、「現在、ストレージデバイスのパートナーと協力し、不具合の再現を試みています。しかし、(本記事公開時点では)社内テストやテレメトリからの情報ではディスク障害やファイル破損の増加は確認されていません」と説明した。 さらにMicrosoftのカスタマーサポートにはこの不具合が発生したユーザーからの報告は届いてないという。「もし、この不具合が発生している場合、法人向けサポートやフィードバックHubからご報告ください」とMicrosoftは呼びかけている。 |
先日、PC Watchは、2025年8月20日朝にPhisonに取材したところ「この不具合はPhisonのSSDコントローラーに起因するものではなく、Windows側の不具合と判明したため、Microsoftが修正作業を行っている」との回答を得たと報じていました。
しかし、Bleeping ComputerがMicrosoftから得た回答は「不具合を再現できていない」というもので、PC WatchとBleeping Computerとの報道とで、情報・内容に齟齬が生じています。
ただ、Microsoftが本不具合の調査を行っていることは確かなようで、今後の進展に注目が集まります。
ユーザー側で取れる対策
現状、本不具合が完全に究明されるまで、ユーザー側でとれる対策・自己防衛策としては、引き続き、以下が挙げられます。
- 数十GBの大きな単体ファイルを書き込まない
- 合計で数十GBになるような大量のファイルを連続で書き込まない(時間をおいて何回かにわけて書き込む)
- 大量のファイルを含んだ大きな圧縮ファイル(例えば200MBのファイルが200個含まれるような圧縮ファイル)を解凍・展開するときは、一気に行わず時間をおいて何回かにわけて行う
- KB5063878 / KB5062660をアンインストールする
なお、KB5063878はセキュリティ更新プログラムのため、アンインストールすると脆弱性が未修正のままになることには注意が必要です。