Intel Core Ultra 200Sシリーズは前世代よりSSDが遅い。M.2スロット接続に影響。14GB/sに達しない
Intel Core Ultra 200SシリーズデスクトップCPU (コードネーム: Arrow Lake-S)は、前世代よりSSD速度が遅いことが判明しました。
Micron 4600 SSDは、PCIe 5.0 (PCIe Gen5)環境で最大14GB/sのシーケンシャルリードを謳う超高速NVMe M.2 SSDです。まずはZ790マザーボード環境でのMicron 4600のSSD速度をご覧ください。
▼Z790マザーボード M.2スロット接続
シーケンシャルリードはしっかりと14GB/sに達しています。また、ランダムリードは8GB/s、ランダムライトは7GB/s台となっています。
次にZ890マザーボード環境でのSSD速度をご覧ください。
▼Z890マザーボード M.2スロット接続
シーケンシャルリードは14GB/sに達することなく、12GB/sに留まっています。また、ランダムリード・ライトもそれぞれ7GB/s、5GB/s台へと低下しています。
いったいなぜこのような差があるのか、海外メディアのThe SSD ReviewがASRock、ASUS、Intelの3社に確認したところ、この問題はマザーボードでもSSDでもなく、CPU側に原因があることが判明しました。
Core Ultra 200Sシリーズはモノシリックダイではなく、複数のダイ(タイル / Tile)を1パッケージにまとめたマルチダイ構成を採用しています。
Core Ultra 200SシリーズデスクトップCPU
タイル構成
各社曰く、M.2スロットを制御するIOEタイル(I/O Extender)のレイテンシが高いために、上記のような速度低下を引き起こすとのことです。
一方、IOEタイルを使用しないPCIe 5.0スロット(PCIe 5.0レーン1~16)はレイテンシが低いため、Z790マザーボードに近い速度が出ます。以下は、M.2 → PCIe変換カードを使用してPCIe 5.0スロット接続でのベンチマーク結果です。
シーケンシャルリードは14GB/sを保っており、Z790マザーボードと同等の速度が出ています。しかし、ランダムライト・リードはそれぞれ8GB/sギリギリ、6GB/s台と若干低めです。
この速度差を大と見るか小と見るかは人それぞれでしょう。一般ユーザーであれば、この速度差を実際に体感できる場面はあまりないかもしれません。しかし、最新世代でありながら、前世代よりもパフォーマンスが劣るというのは、少なからずもにょるものを感じます。
なお、現時点でIntelからこの問題を修正・改善するファームウェアアップデートはアナウンスされていません。