【Windows10】 WindowsUpdate 2025年5月 不具合情報 - セキュリティ更新プログラム KB5058379 [Update 4]

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日本時間で2025年5月14日にWindowsUpdateに配信されたWindows10用セキュリティ更新プログラムKB5058379の不具合情報およびその回避策・解決策です。

更新履歴 [記事初公開部: 2025/5/14]
① OS起動時にブルースクリーンエラーやBitLocker回復などが表示される不具合(ユーザー報告)を加筆。 [2025/5/16]
② BitLocker回復が表示される不具合を既知の不具合に移動。 [2025/5/18]
③ ブラウザの文字がぼやける既知の不具合を加筆。 [2025/5/19]
④ BitLocker回復が表示される不具合を既知の回避策を改訂。修正更新プログラムKB5061768がリリースされました。 [2025/5/20]
⑤ Windows10 22H2のバージョンが2009と表示される不具合(ユーザー報告)を加筆。 [2025/5/23] [New]

Windows10 22H2用セキュリティ更新プログラム: KB5058379

基本情報

KB5058379はWindows10 バージョン22H2用のセキュリティアップデートを含む累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで脆弱性が修正されます。

▼更新プログラムのハイライト・修正された脆弱性や不具合

  • Windowsの脆弱性を修正
  • Linuxシステムの検出とSecure Boot Advanced Targeting (SBAT)を改善
    • 過去に、SBATアップデートによりWindowsとLinuxのデュアルブート環境でLinuxが起動しなくなる不具合が発生していました。通常、SBATアップデートはデュアルブート環境には適用されませんが、一部の環境においてデュアルブートを検出できず、適用されてしまい、Linuxが起動しなくなりました。本更新プログラムにはこの不具合の改善が含まれています
  • KB5058379には2025年4月23日に配信されたプレビューリリースKB5055612の内容が含まれています

不具合情報

KB5058379には以下の既知の不具合があります。

既知の不具合
不具合概要回避策

Citrix Session Recording Agent (SRA)バージョン2411をインストールしている環境において、日本時間で2025年1月15日に公開されたWindows10 23H2用更新プログラムKB5049981以降のインストールが完了しない場合があります。

Windows Updateの画面では正常にインストールされたように表示されますが、再起動時の適用画面でインストールに失敗してロールバックされます。

この不具合はCitrix Session Recording Agent (SRA)バージョン2411をインストールしている環境でのみ発生します。主に企業・組織に影響します。一般的なホームユーザーが影響を受ける可能性は低いものと考えられます。

この不具合は2025年4月28日にリリースされたCitrix Session Recording Agent version 2503およびそれ以降のバージョンで修正されています。

詳細はCitrixが公開しているドキュメント『Microsoft’s January security update fails/reverts on a machine with 2411 Session Recording Agent』をご覧ください。

一部環境において、KB5058379のインストール後、Windows10の起動時に以下のような不具合が発生する場合があります。

  • KB5058379のインストール後にWindowsの起動に失敗し、自動修復が発生する
  • 起動時にBitLocker回復が表示される
  • 最悪、再起動ループに陥る

この不具合は、Intel第10世代以降のvProを搭載したプロセッサー(CPU)環境で、尚且つ、『Intel TXT』(または『Intel Trusted Execution Technology』とも呼ばれる)が有効になっていると発生します。

詳細は以下の記事参照。
MS、Windows10が正常に起動しない不具合を認める。KB5058379インストール後、BitLocker回復画面が表示されたり自動修復が始まる。最悪再起動ループに

この不具合は、2025年5月19日付け(現地時間)でリリースされたKB5061768にて修正されました。KB5061768をMicrosoft Updateカタログからダウンロード・インストールすることで本不具合は発生しなくなります。

自動修復でOSが起動する場合はそのままインストールしてください。

OSが起動しない場合はPCのBIOS / UEFIから『Intel Virtualization Technology for Directed I/O』(別表記: VT-d、VT-x、VT for Directed I/O)と『Intel Trusted Execution Technology』(別表記: Intel TXT)を一時的に無効にしてください。BitLocker回復キーを求められたら入力してください。するとOSが起動するのでKB5061768をインストールしてください。

詳細な手順は以下の記事をご覧ください。

詳細は以下の記事参照。
MS、Windows10が正常に起動しない不具合を修正。修正更新プログラムKB5061768を緊急リリース

Microsoft EdgeやGoogle Chromeなど、Chromiumベースのブラウザにおいて、96 DPI (100%スケーリング)で表示すると、日本語・中国語・韓国語(CJK)のテキストがぼやけたり不鮮明に表示される場合があります。

この不具合は2025年3月のプレビューリリース以降で実装されたNoto CJKフォントに起因しています。

詳細は以下の記事参照。
ブラウザの文字がぼやける不具合。Windows11やWindows10で発生。Windows Update / Noto CJKフォントに起因

一時的な対処方法として、Microsoftはモニターのスケーリングを125%か150%に設定するとこで、テキストが鮮明に表示されるようになると述べています。

ただ、モニターのスケーリングを125%や150%にすると、さまざまなアプリが大きく表示されるため、あまりおすすめはできません。

筆者としましては、ブラウザの文字が見づらい場合はブラウザ側のフォントを変更することをおすすめいたします。

詳細手順は左記のリンク先記事をご覧ください。

ユーザー報告
不具合概要回避策

一部環境において、KB5058379のインストール後、Windows10の起動時に以下のような不具合が発生するとの報告が出ています。

  • 起動時にブルースクリーンエラー(ブルースクリーンオブデス / BSoD)が発生する

なお、この不具合はあくまでも一部環境でのみ発生しているものであり、すべての環境で発生するものではありません。

詳細は以下の記事参照。
Windows10の起動に不具合。ブルースクリーンやBitLocker回復、Windows回復環境が表示される。KB5058379インストール後に発生。対処方法あり

以下の方法でWindows10が正常に起動するようになったと報告されています。

  • OS起動時にブルークリーンエラーが表示される場合、BIOS / UEFIから『Enable OS Kernel DMA Support』を無効にしてください

詳細は左記リンク先記事をご覧ください。

[New]

KB5058379のインストール後、『設定』 → 『システム』 → 『詳細情報』のデザインが新しくなり、『Windows の仕様』が本来なら『22H2』のところ、『2009』と表示される場合があります。

詳細は以下の記事参照。
Windows10 22H2がWindows10 2009と表示される!?詳細情報に不具合。位置情報が勝手にオンになる場合も

おそらくこれは表示上の不具合でしょう。『2009』と表示されるようになったことで、今のところ実害は確認されていません。放っておいても特に問題はありません。

いずれMicrosoftが正しい表記へと修正するでしょう。