特定状況で更新プログラムの手動インストールに失敗する不具合。Windows11 24H2とWindows Server 2025で発生。Microsoft Updateカタログの『.msu』ファイルに影響
Microsoftは、Windows11 24H2およびWindows Server 2025において、特定状況で『.msu』形式の更新プログラムの手動インストールに失敗する不具合が発生していることを発表しました。
不具合概要
Windows11 24H2およびWindows Server 2025において、特定状況下で『.msu』ファイル形式の更新プログラムの手動インストールに失敗する場合があります。
通常、Microsoft Updateカタログからダウンロードした『.msu』ファイル形式の更新プログラムを実行 / ダブルクリックすると、『Window Update スタンド アロンインストーラー』(WUSA / wusa.exe)が起動して更新プログラムのインストールが始まります。
しかし、日本時間で2025年5月29日以降にリリースされた更新プログラム(Windows11 24H2用だとKB5058499以降)をインストールしている環境だと、『ERROR_BAD_PATHNAME』エラーが表示されて手動インストールに失敗する場合があります。(wusa.exeを使用して、コマンドプロンプトから『.msu』ファイルをインストールする場合も)
この不具合は、複数の『.msu』ファイルがあるネットワーク上の共有フォルダーから、『.msu』ファイルを実行すると発生する場合があります。
この不具合は、以下の場合には発生しません。
- 共有フォルダーに『.msu』ファイルが1つしかない場合
- ローカルに保存された『.msu』ファイルを実行した場合
この不具合の影響を受けるOSおよび不具合を内包する更新プログラムは以下。
- Windows11 24H2
KB5063878 (2025年8月13日公開 セキュリティ更新プログラム)
KB5062660 (2025年7月23日公開 プレビューリリース)
KB5064489 (2025年7月14日公開 帯域外リリース)
KB5062553 (2025年7月9日公開 セキュリティ更新プログラム)
KB5060829 (2025年6月27日公開 プレビューリリース)
KB5063060 (2025年6月12日公開 帯域外リリース)
KB5060842 (2025年6月11日公開 セキュリティ更新プログラム)
KB5058499 (2025年5月29日公開 プレビューリリース) - Windows Server 2025
KB5063878 (2025年8月13日公開 セキュリティ更新プログラム)
KB5064489 (2025年7月14日公開 帯域外リリース)
KB5062553 (2025年7月9日公開 セキュリティ更新プログラム)
KB5060842 (2025年6月11日公開 セキュリティ更新プログラム)
対処方法・回避策
もし、本不具合が発生した場合の回避策としては『.msu』ファイルをローカルに保存して実行してください。これで回避できます。
この不具合はKnown Issue Rollback (KIR / 更新プログラムをアンインストールしなくても問題の部分だけをロールバックできる機能)を使用して修正されます。一般的なPC環境や、企業や組織に管理されていないPC環境の場合、放っておいても自動的に修正されます。PCを再起動すると、早く修正される場合があります。
企業や組織等で管理されているPCでは、以下の特別なグループポリシーをインストールして設定することで解決できます。
このグループポリシーは『コンピューターの構成』 → 『管理用テンプレート』 → 『KB5062660 250806_17201 Known Issue Rollback』にあります。グループポリシーの展開と構成方法については『How to use Group Policy to deploy a Known Issue Rollback』のページをご覧ください。(※英語です。日本語ページもありますが機械翻訳です)
現在、Microsoftは本不具合の解決に取り組んでおり、今後のアップデートで修正を予定しています。