【CPU】 Intel、新たな脆弱性を公表。『Lazy FP state restore』(CVE-2018-3665) [Update 1: MSが緩和策を公開]

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(Source:Intel / Microsoft / Red Hat / CVE)

Intelのプロセッサに『Lazy FP state restore』と呼ばれる投機的実行を利用した脆弱性(CVE-2018-3665)が見つかり、公表されました。この脆弱性もMeltdownやSpectreと同様に、サイドチャネル攻撃で特定の値を読み取られる危険性があります。しかし、悪用は難しいため、Intelによると脅威は中程度とされています。

この脆弱性の修正にマイクロコードは必要としておらず、OS側での対応が必要になります。Linuxはカーネルアップデートで対応が予定されているため、詳細はお使いのディストリビューションのアナウンスをご確認ください。Red Hatによると、同社のOSはアップデートしてもパフォーマンスに悪影響はないとのことです。

Microsoftもこの件について発表していますが、2018年6月14日時点では脆弱性の影響を受ける製品リストおよび緩和策や回避策は提示されていません。Q&Aでは 「Lazy restoreはWindowsではデフォルトで有効になっており、無効にはできません」 と回答しているため、Windowsは影響を受けるようです。Azure VMに関しては影響を受けないとのことです。

< Update 1: MSが緩和策を公開 >
Microsoftがこの脆弱性の緩和策を公開しました。緩和策は各KBに同梱されており、デフォルトで有効になります。無効化方法は案内されていません。

[ 緩和策が実装されたKB ]
Win7: 2018年7月度 KB4338823(セキュリティのみ) / 2018年7月度 KB4338818(ロールアップ)
Win8.1: 2018年7月度 KB4338824(セキュリティのみ) / 2018年7月度 KB4338815(ロールアップ)
Win10: 2018年7月11日現在なし(v1803 A2U) / 2018年7月11日現在なし(v1709 FCU) / 2018年7月11日現在なし(v1703 CU) / 2018年7月11日現在なし(v1607 AU) / 2018年7月度 KB4338829(v1507 TH1)
(※Win7/8.1のロールアップとWin10は累積されるため、これら以降のパッチも対象となります。セキュリティのみは累積されません)