【Windows11】 WindowsUpdate 2023年3月 不具合情報 - プレビューリリース KB5023778 / KB5023774 21H2でもPCが起動しなくなる恐れ [Update 2]

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Windows11 - WindowsUpdate

2023年3月29日にWindowsUpdateに配信されたWindows11用更新プログラムKB5023778 (22H2) / KB5023774 (21H2)の不具合情報です。

月例の翌週以降に公開・配信される更新プログラムは『プレビューリリース』と呼ばれており、新たなセキュリティアップデートを含んでおらず、不具合の修正や機能改善のみの更新プログラムとなっています。特に問題がなければ次の月例に同梱されます。

『プレビューリリース』は文字通りに早期公開のプレビュー版なため、すぐにでも適用したい不具合の修正がない場合や、人柱になりたくない場合はスルーを推奨いたします。不具合の修正内容の詳細については各更新プログラムのリンク先よりご確認くださいませ。

また、今回から、Windowsが起動しなくなる不具合がWindows11 21H2でも発生するようになりました。詳細はWindows11 21H2の項目をご覧ください。

以下、2023年3月29日に公開された更新プログラムの不具合およびその回避策・解決策になります。『.NET Framework』など、その他の更新プログラムやWindows Server固有の不具合は割愛しています。

更新履歴 [記事初公開日: 2023/3/29]
① Windows11 21H2 KB5023778の既知の不具合『Red Dead Redemption 2』が起動しない不具合の回避策を改訂。この不具合はゲーム側で修正されました。 [2023/4/3]
② 22H2用KB5025305に日本語入力の既知の不具合を加筆。 [2023/5/8]  [New]

Windows11 22H2用プレビューリリース: KB5023778

基本情報

KB5023778はWindows11 バージョン22H2用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。

この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。

▼機能改善や修正された不具合・更新プログラムのハイライト

  • ごく稀にブルースクリーンエラー(BSoD)が発生する不具合を修正
  • スタートメニューにMicrosoftアカウントの通知を導入。この通知は、現在、一部のユーザーに対してのみ提供されていますが、今後数ヶ月のうちに、より広範囲に展開される予定です
    Microsoftアカウントの通知
  • USBプリンターをマルチメディアデバイスと誤認識される不具合を修正
  • キオスクモード環境において、自動的にログイン(サインイン)できない不具合を修正
  • 『設定』 → 『個人用設定』 → 『色』で、モードを『カスタム』に、Windowsモードを『ダーク』に、アプリモードを『ライト』にすると、タスクバーの検索ボックスが明るくなるように改善
  • メモ帳で利用可能なオプションがすべて表示されない不具合を修正
  • Microsoft PowerPointが応答しなくなる不具合を修正
  • 『ナレーター』がExcelのドロップダウンリストの項目を読み取れない不具合を修正
  • Microsoft Defender for Endpointに多くの新機能と改善を追加。詳細はMicrosoft Defender for Endpointのページをご覧ください
  • PINのポリシー設定が無視される不具合を修正
  • Fast Identity Online 2.0 (FIDO 2) PINクレデンシャルアイコンに影響する不具合を修正
  • Clustered Shared Volume (CSV)がオンラインにならない不具合を修正
  • Active Directory Users & Computersが応答しなくなる不具合を修正
  • Distributed Component Object Model (DCOM)とMicrosoft Remote Procedure Call (RPC)のエンドポイントマッパーの間で競合状態が発生する不具合を修正
  • Azure Virtual Desktop上でMicrosoft PowerPointが応答しなくなる不具合を修正
  • Windows Searchが失敗する不具合を修正
  • グループポリシーエディターにTLS 1.3を追加
  • エジプトの2023年のサマータイムに対応
  • この更新プログラムはjscript9Legacy.dllに影響します。MHTMLが応答しなくなるのを防ぐために、ITrackerとITrackingServiceが追加されています
  • Microsoft HTML Application Host (HTA)を使用するコードの実行がブロックされる不具合を修正
  • グループポリシー管理コンソールにおいて、スクリプトエラーが発生する不具合を修正
  • MBIM2.0+を仕様して位置情報を照会できない不具合を修正
  • 一部のSCEP (Simple Certificate Enrollment Protocol)証明書のインストールが失敗する不具合を修正
  • 接続固有のDNSサフィックス検索の一覧を使用できない不具合を修正
  • Desired State Configurationにおいて、以前に設定したオプションが消える不具合を修正
  • Windows Remote Management (WinRM)クライアントがHTTPサーバーエラー(500)を返す不具合を修正

重要事項

2023年3月1日以降(KB5022913以降)の更新プログラムをインストールすると、PCが起動しなくなる場合があります。この不具合は、ExplorerPatcherやStartAllBackWindowsといった、Windowsの見た目・ユーザーインターフェイス(UI)を変更するカスタマイズアプリを使用している環境で発生する場合があります。

不具合を回避するには、更新プログラムをインストールする前にUIカスタマイズアプリをアンインストールするか、UIカスタマイズアプリ側をアップデートする必要があります。なお、この不具合はWindows11 22H2の仕様変更によるもので、UIカスタマイズアプリ側での修正が必要になり、Windows側では修正されません。そのため、Micosoftは本不具合を2023年3月17日付けですでに『解決済み』としています。

当サイトでも、Windows11 22H2における本不具合の注意喚起は次回のWindowsUpdateからは行いません。本不具合の詳細は以下の記事をご覧ください。

  Windows11 22H2が起動しなくなる不具合が『解決済み』に。UIカスタマイズアプリ側で修正されたとし

備考

Microsoftが公開しているKB5023778のページに書かれている既知の不具合の内容は一部間違っています。『プロビジョニングパッケージを使用した場合OOBEが完了しない不具合』と『ファイルのコピー速度が遅くなる不具合』があると記されていますが、前者は2022年11月30日に公開されたKB5020044にて、後者は2023年3月1日に公開されたKB5022913にて修正されました。

そのうち掲載内容を修正するだろうと思っていましたが、今回は一向に修正されないため、一応記しておきます。以下の『既知の不具合』は、KB5023778のページの誤った古い内容ではなく、最新情報に基づいた内容になります。

2023/5/8追記
『ファイルのコピーが遅くなる不具合』が修正されていることにやっと気づいたようで、既知の不具合から削除されました。

不具合情報

KB5023778には以下の既知の不具合があります。

既知の不具合
不具合概要回避策

2022年11月9日以降に公開された更新プログラムをインストールすると、DirectXまたはDirect 3Dを使用する一部のエンタープライズ(企業)向けアプリにおいて、断続的にapphelp.dllのエラーが発生する場合があります。

この不具合は、Intelグラフィックスドライバのバージョン26.20.100.7463から30.0.101.1190までを使用している場合に発生します。

この不具合は、主にエンタープライズ向け環境で発生し、一般的なホームユーザー環境で発生する可能性は低いとされています。

詳細は以下の記事参照。
DirectXアプリがエラーを吐く不具合。Windows10や11等で発生。対処方法あり

バージョン30.0.101.1190よりも新しいIntelグラフィックスドライバをインストールすることで、この不具合は発生しなくなります。

また、Microsoftは、この不具合の解決に取り組んでおり、今後のアップデートで修正を予定しています。

[New]

2023年3月1に公開されたWindows11 バージョン22H2用プレビューリリースKB5022913以降の更新プログラムをインストールすると、日本語および中国語の入力に不具合が発生する場合があります。

具体的には、音声認識、表現入力(絵文字入力)、手書き入力で、一部のアプリが単語を認識できなかったり、入力を受け付けない場合があります。この不具合は、アプリがオフラインでの音声認識を使用している場合に発生しやすくなります。

詳細は以下の記事参照。
日本語入力に不具合。Windows11 22H2にて発生。対処方法あり

この不具合が発生してお困りの場合、一時的な緩和策として、PCの再起動毎に以下の操作を行ってください。

  1. この不具合が発生するアプリが起動している場合、まずはそのアプリを終了してください
  2. [CTRL] + [SHIFT] + [ESC]キーを押して、タスクマネージャーを開いてください
  3. プロセスを『名前』でソートして『CTF ローダー』(ctfmon.exe)を右クリックして、『タスクの終了』を選択

これで正常に入力できるようになるとされています。

また、現在、Microsoftは不具合の解決に取り組んでおり、今後のアップデートで修正を予定しています。

Windows11 21H2用プレビューリリース: KB5023774

基本情報

KB5023774はWindows11 バージョン21H2用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。

この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。

▼機能改善や修正された不具合・更新プログラムのハイライト

  • Windows Graphical Device Interface (GDI)を使用している一部のプリンターに影響する互換性の不具合を修正
  • Windows Searchが失敗する不具合を修正
  • lsass.exeの応答が停止する不具合を修正
  • システムロケールを日本語に設定し、cmd.exeがレガシーモードに設定されていると失敗する不具合を修正
  • USBプリンターをマルチメディアデバイスと誤認識される不具合を修正
  • Microsoft PowerPointが応答しなくなる不具合を修正
  • Xboxサブスクリプションカードが表示されない不具合を修正
  • Distributed Component Object Model (DCOM)とMicrosoft Remote Procedure Call (RPC)のエンドポイントマッパーの間で競合状態が発生する不具合を修正
  • この更新プログラムは、ms-appinstaller URIに影響します。DesktopAppInstallerポリシーで動作するようになります
  • メモ帳で利用可能なオプションがすべて表示されない不具合を修正
  • タスクバー上の検索ボックスの操作性が向上
  • Azure Virtual Desktop上でMicrosoft PowerPointが応答しなくなる不具合を修正
  • Microsoft HTML Application Host (HTA)を使用するコードの実行がブロックされる不具合を修正
  • Desired State Configurationにおいて、以前に設定したオプションが消える不具合を修正
  • 一部のSCEP (Simple Certificate Enrollment Protocol)証明書のインストールが失敗する不具合を修正
  • MBIM2.0+を仕様して位置情報を照会できない不具合を修正
  • Fast Identity Online 2.0 (FIDO 2) PINクレデンシャルアイコンに影響する不具合を修正
  • グループポリシーオブジェクト『Set a default associations configuration file』を使用して、特定のアプリケーションに対する拡張機能を作成できるようになりました
  • クリーンアップ中に複数のアカウントを削除できないというShared PC Account Managerの不具合を修正

重要事項。必ず読んでください

KB5023774(およびそれ以降の更新プログラム)をインストールすると、PCが起動しなくなる場合があります。この不具合は、ExplorerPatcherやStartAllBackWindowsといった、Windowsの見た目・ユーザーインターフェイス(UI)を変更するカスタマイズアプリを使用している環境で発生する場合があります。

この不具合は以前からWindows11 22H2で発生していましたが、今回のKB5023774からWindows11 21H2でも発生するようになりました。

Windows11 22H2は、UIカスタマイズアプリ側のアップデートで修正されましたが、Windows11 21H2に関してはUIカスタマイズアプリ側で修正されているかどうかわからず、不具合を回避するために、更新プログラムをインストールする前にUIカスタマイズアプリをアンインストールするようMicrosoftは案内しています。

不具合情報

KB5023774には以下の既知の不具合があります。

既知の不具合
不具合概要回避策

KB5023774(およびそれ以降の更新プログラム)をインストールすると、ExplorerPatcherやStartAllBackなどのサードパーティ製のUIカスタマイズアプリを使用している環境において、Windowsが起動しなくなる恐れがあります。

この不具合を回避するには、KB5023774(およびそれ以降)をインストールする前に、サードパーティ製のUIカスタマイズアプリをアンインストールするようMicrosoftは案内しています。

KB5023774(およびそれ以降の更新プログラム)をインストールすると、PCゲーム『Red Dead Redemption 2』が起動しない場合があります。

この不具合はゲーム側で修正されました。『Red Dead Redemption 2』をアップデートすることで正常に起動するようになります。

新しい日本語IMEを使用していると、アプリケーションにおいて、ローマ字/カナ入力モードが自動的に切り替わらない場合があります。

開発者向け情報: アプリケーションが『ImmSetConversionStatus』関数、またはVK_KANAキーエミュレーションを使用している場合、この不具合の影響を受けます。

詳細は以下の記事参照。
新しいIMEにまた不具合。入力モードが自動で切り替わらない。対処方法あり

以下のいずれかの対処方法をご検討ください。

< 対処方法A >
手動で入力モードを変更する。

< 対処方法B >
以前のバージョンのIMEを使用する。『設定』 → 『設定の検索』に「日本語 IME の設定」と入力して『日本語 IME の設定』を開く → 『全般』 → 一番下の『以前のバージョンの Microsoft IME を使う』をオンに変更することでこの不具合を回避できます。

『以前のバージョンの Microsoft IME を使う』をオンに変更

2022年11月9日以降に公開された更新プログラムをインストールすると、DirectXまたはDirect 3Dを使用する一部のエンタープライズ(企業)向けアプリにおいて、断続的にapphelp.dllのエラーが発生する場合があります。

この不具合は、Intelグラフィックスドライバのバージョン26.20.100.7463から30.0.101.1190までを使用している場合に発生します。

この不具合は、主にエンタープライズ向け環境で発生し、一般的なホームユーザー環境で発生する可能性は低いとされています。

詳細は以下の記事参照。
DirectXアプリがエラーを吐く不具合。Windows10や11等で発生。対処方法あり

バージョン30.0.101.1190よりも新しいIntelグラフィックスドライバをインストールすることで、この不具合は発生しなくなります。

また、Microsoftは、この不具合の解決に取り組んでおり、今後のアップデートで修正を予定しています。

2023年1月11日以降にリリースされた更新プログラムをインストールすると、自動ログインを有効にしたキオスクモード環境において、自動的にログイン(サインイン)しない場合があります。

詳細は以下の記事参照。
キオスクモード環境で自動ログインできない不具合。Windows10やWindows11などで発生

Microsoftは本不具合の対処方法や回避策を案内していません。2023年1月11日以降の更新プログラムをすべてアンインストールすれば、本不具合は発生しなくなりますが、セキュリティ更新プログラムをアンインストールすると脆弱性が未修正のままになるため注意が必要です。

Microsoftは、不具合の解決に取り組んでおり、今後の更新プログラムで修正を予定しています。