【Windows11 24H2】 WindowsUpdate 2025年9月 不具合情報 - プレビューリリース KB5065789 ゲームの動画シーンが真っ赤になる不具合は修正されず

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日本時間で2025年9月30日にWindowsUpdateに配信されたWindows11 バージョン24H2用更新プログラムKB5065789の不具合情報です。

月例の翌々週以降に公開・配信される更新プログラムは『プレビューリリース』と呼ばれており、新たなセキュリティアップデートを含んでおらず、不具合の修正や機能改善のみの更新プログラムとなっています。特に問題がなければ次の月例に同梱されます。

『プレビューリリース』は文字通りに早期公開のプレビュー版なため、すぐにでも適用したい不具合の修正がない場合や、人柱になりたくない場合はスルーを推奨いたします。

以下、Windows11 バージョン24H2用KB5065789の不具合およびその回避策・解決策になります。

更新履歴
初版。

Windows11 24H2用プレビューリリース: KB5065789

基本情報

KB5065789はWindows11 バージョン24H2用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。

この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。

▼機能改善や修正された不具合・更新プログラムのハイライト

◆段階的ロールアウト(※すぐには反映されません)

  • HDCP適用機能を備えた拡張ビデオレンダラーを使用する一部のBlu-ray / DVD / デジタルTVアプリケーションにおいて、保護されたコンテンツが正常に再生できない不具合を修正。この不具合は日本時間で2025年8月30日公開のプレビューリリースKB5064081以降をインストールした環境で発生していました
  • Click to Doに以下のアップデートを行いました
    • コンテキストメニューに追加された新しい人気のアクションタグ(New and popular action tag)により、最新のAI搭載アクションや広く利用されているアクションを見つけられるようになりました
    • 『要約』(Summarize)アクションを使うと、簡潔な要約が表示されます
  • 『設定』のエージェントの検索結果から、対応する『設定』ページへ直接移動できるリンクが表示されるようになりました。この改善はCopilot+ PC向けに『設定』のエージェントに順次ロールアウトされています
  • 画面の明るさ、音量、機内モード、仮想デスクトップのハードウェアインジケーターを画面上の別の位置に移動できるようになりました。『設定』 → 『システム』 → 『通知』の『Position of the onscreen pop-up』(『画面上のポップアップの位置』的なニュアンス)から設定できます
  • IT管理者はタスクバーのピン留めポリシーを適用するために『explorer.exe』を再起動する必要がなくなりました。ポリシー適用後、最大8時間以内にタスクバーにピンが表示されます(更新間隔によります)
  • ファイルエクスプローラーに以下のアップデートを行いました
    • ファイルエクスプローラーでAIアクションを使用して、画像の編集やドキュメントの要約ができるようになりました。ファイルを右クリック(またはSHIFT+F10キー)して、AIアクションを選択するだけです。
    • 画像アクション(Image action)では『.jpg』『.jpeg』『.png』ファイルに対して、4つのAIアクションが利用できます。ビジュアル検索(Visual Search)は画像でWeb検索を行います。背景ぼかし(Blur Background)はフォトアプリが開いて背景をぼかします。オブジェクト消去(Erase Objects)は写真から不要な要素を削除します。背景削除(Remove Background)はペイントで被写体を切り抜きます
    • Microsoft 365のAIアクションでドキュメントをより簡単に扱えるなりました。Copilotの要約アクションを使えば、OneDriveやSharePointに保存されたファイルを個別に開かずに素早く要約生成できます。このAIアクションを利用するには有効なMicrosoft 365サブスクリプションとCopilotライセンスが必要です(MicrosoftアカウントおよびMicrosoft Entra IDに対応)
    • コンテキストメニューを改善しました。『プログラムから開く』リスト内のパッケージ化されたアプリアイコンの背景に表示されていたアクセント色を削除しました。これによりアイコンが見やすくなりました
    • ファイルエクスプローラーからクラウドファイルを開いたり、コンテキストメニューを読み込んだりする際のパフォーマンスを向上させる改善を施しました
    • テキストの拡大表示を使用している場合、デスクトップ上でアイコンとテキストが重なって表示される不具合を修正
    • アラビア語またはヘブライ語の表示言語を使用している場合、ファイルエクスプローラーの詳細表示、プレビュー、ナビゲーションペインのアイコンが正しく表示されない不具合を修正
  • Windows Shareウィンドウにお気に入りのアプリをピン留めし、必要なときにすぐにアクセスできるようになりました
  • 『設定』 → 『システム』 → 『詳細設定』(Advanced)は、従来の『開発者向け』ページを刷新したものです。主要なオプションを簡単に見つけられるようになりました
  • 入力に以下のアップデートを行いました
    • Windowsキー + マイナス(-)でenダッシュ(『–』短いダッシュ)を、Windowsキー + Shift + マイナス(-)でemダッシュ(『—』長いダッシュ)を入力できるようになりました。拡大表示が実行されているときにWindowsキー + ハイフン(-)を押すと、画面が縮小表示されます
    • PCがスリープから復帰後に、サインイン画面でPIN入力する際、タッチ入力が機能しない場合があった不具合を修正
  • ナレーターに以下のアップデートを行いました
    • 点字ビューアー(Braille Viewer)を追加
    • リストの読み上げがより正確になり、表の区切りが明確になるなどの改善を施しました
  • 管理者保護(Administrator protection)は、管理者が必要な時に必要な権限のみを一時的に利用できるようにします。この機能はデフォルトで無効になっており、IntuneのOMA-URI、またはグループポリシーで有効化する必要があります
  • Windows11にプラグインパスキーマネージャー(Plugin passkey manager)がシームレスに統合されました。パスキーにプラグイン資格情報マネージャーを使用できるようになりました
  • 『設定』に以下のアップデートを行いました
    • 『設定』 → 『プライバシーとセキュリティ』 → 『検索』 → 『履歴の検索』にあった『Bing 検索履歴を管理またはクリアする』の項目を削除しました。Bingの検索履歴は、下部の『関連設定』にある『プライバシーリソース』リンクからアクセスできる『プライバシーダッシュボード』で直接管理できるようになりました
    • 時刻、言語、キーボードの設定項目の一部がコントロールパネルから『設定』に移動しました。時刻は『設定』 → 『時刻と言語』 → 『日付と時刻』から設定できます。言語は『設定』 → 『時刻と言語』 → 『言語と地域』から設定できます。キーボードの文字の繰り返し速度やカーソルの点滅速度は『設定』 → 『アクセシビリティ』から設定できます
    • 『設定』 → 『アプリ』 → 『インストールされているアプリ』の読み込み速度のパフォーマンスを改善
    • 『設定』 → 『システム』 → 『ストレージ』 → 『ストレージの詳細設定』 → 『ディスクとボリューム』にあるBitLockerドライブ暗号化のリンクをクリックするとエラーコード0x80004005が表示される不具合を修正
  • ゲーム関連に以下のアップデートを行いました
    • XboxコントローラーのXboxボタンを短く押すとGame Barが開きます。新たな変更点としてXboxボタンを長押しすると、タスクビューが開くようになりました。なお、Xboxボタンを押し続けると、Xboxコントローラーの電源がオフになるのは変わりありません
    • Game Barやその他オーバーレイを有効にした状態でゲームをプレイする際のパフォーマンスを改善。このアップデートは、異なるリフレッシュレートのマルチモニター環境で特に効果が期待できます
  • アプリの起動に失敗した場合などに表示される複数のダイアログを、Windows11のデザインに合わせたモダンなインターフェイスにしました
  • 音声アクセスに以下のアップデートを行いました
    • 自然言語によるコマンド入力ができるようになりました。IntelおよびAMDのCopilot+ PCで利用可能になりました
    • 音声アクセスが「聞き取り中」と表示されたまま応答しなくなる不具合を修正
  • PCのロック解除後に動的ライティングがCPUを過剰に消費する不具合を修正
  • HDRを有効にした直後、予期せずHDRがすぐにオフになる不具合を修正
  • Windows証明機関(Windows Certificate Authorities)に、証明書失効リスト(Certificate Revocation List / CRL)の分割機能を追加
  • クイック設定からキャストするためにPIN入力が必要な場合、エンターキーを押してもPINが確定されない不具合を修正
  • セーフモードに入ろうとした際、予期せず「問題が発生したため、暗証番号 (PIN) を使用できません」と表示される不具合を修正
  • Windows Sandboxが有効な場合、サインイン後にVmmemCMFirstBootプロセスが大量のCPUリソースを消費し、PCが応答しなくなる不具合を修正

◆通常ロールアウト(※こちらはすぐに反映されます)

  • NetBIOS over TCP/IP (NetBT)を経由したSMB v1接続で共有フォルダや共有ファイルにアクセス・接続できない不具合を修正
  • ARM64環境でTPMを使用するHyper-Vマシンを起動できない不具合を修正。この不具合は日本時間で2025年8月30日公開のプレビューリリースKB5064081以降をインストールした環境で発生していました
  • 入力に以下のアップデートを行いました
    • 中国語IME使用時に一部の文字が正しく表示されない不具合を修正
    • 文字数制限が設定されているテキストフィールドにおいて、特定の中国語文字が空白の四角として表示される不具合を修正
    • ファイルエクスプローラーの『最近使用した項目』セクションで一部の中国語文字やその他の4バイト文字が正常に読み込めず、四角や判読不能な記号として表示される不具合を修正
  • Windows Server Update Services (WSUS)使用環境において、Windows Updateが正常に動作しない不具合を修正
  • icrosoft Entra IDドメインに参加しているデバイスにおいて、Windows HelloのPIN設定時にエラー0x80090010が発生する不具合を修正。この不具合は日本時間で2025年6月11日公開のセキュリティ更新プログラムKB5060842以降をインストールした環境で発生していました

追加情報

一部のBlu-ray / DVD / デジタルTVアプリが正常に動作しない不具合部分的に修正されました。不具合情報の項目で後述していますが、100%の修正ではありません。ただ、直る可能性もありますので本不具合にお困りの場合はKB5065789のインストールをお試しください。

SMB v1接続で共有フォルダなどにアクセスできない不具合も今回のKB5065789にて修正されました。こちらもお困りだった方はKB5065789をお試しください。

そして、一部のゲーム(主に国産ゲーム、国産アドベンチャーゲーム、ギャルゲー、美少女ゲームなど)において、OPやED、ムービーシーン / カットシーンなどの動画が真っ赤になる不具合は修正されていません。

真っ赤になったムービーシーン
真っ赤になったムービーシーン

今回のKB5065789でも引き続き発生します。一時的な対処方法は下記の不具合情報のユーザー報告の項目をご覧ください。

不具合情報

KB5065789には以下の既知の不具合があります。

既知の不具合
不具合概要回避策

日本時間で2025年8月30日公開のプレビューリリースKB5064081以降をインストールすると、一部のBlu-ray / DVD / デジタルTVアプリケーションが正常に動作しなくなり、まともに動画を再生できなくなる場合があります。

具体的には以下のような症状が発生します。

  • 再生ができない
  • 画面が真っ黒(ブラックスクリーン)になる
  • 再生が頻繁に途切れる
  • 著作権保護エラーが発生する

この不具合は今回のKB5065789で部分的に(HDCPの部分に関しては)修正されています。

しかし、デジタルオーディオにDRMを使用する一部のアプリでは引き続き不具合が発生する場合があります。

詳細は以下の記事参照。
Blu-rayやDVD、デジタルTVが正常に再生できない不具合。Windows11 24H2で発生。MSが発表。KB5065426とKB5064081が原因

まずはKB5065789をインストールしてみて問題が解決するかどうか確認してください。

それでも解決しない場合は、以下の更新プログラムをアンインストールすると、正常に再生できるようになります。

  • KB5065789 (2025年9月30日公開 プレビューリリース)
  • KB5065426 (2025年9月10日公開 セキュリティ更新プログラム)
  • KB5064081 (2025年8月30日公開 プレビューリリース)

ただし、KB5065426はセキュリティアップデートのため、アンインストールすると脆弱性が未修正のままになることには注意が必要です。

現在、Microsoftはこの不具合の修正に取り組んでいるとのことです。

ユーザー報告
不具合概要回避策

日本時間で2025年8月30日公開のプレビューリリースKB5064081以降をインストールすると、一部PCゲーム(主に国産ゲーム、国産アドベンチャーゲーム)のOPやEDなど、動画が流れるムービーシーン / カットシーンが赤くなる・真っ赤になる不具合が発生しています。

詳細は以下の記事参照。
一部PCゲームのムービーシーン(動画)が赤くなる不具合。どんなギャルゲーもホラー風になって台無し。Windows11 24H2で発生。KB5065789、KB5065426、KB5064081が原因 [Update 1]

一時的な回避策としては、現状、以下の更新プログラムをアンインストールするしかありません。

  • KB5065789 (2025年9月30日公開 プレビューリリース)
  • KB5065426 (2025年9月10日公開 セキュリティ更新プログラム)
  • KB5064081 (2025年8月30日公開 プレビューリリース)

ただし、KB5065426はセキュリティアップデートのため、アンインストールすると脆弱性が未修正のままになることには注意が必要です。

更新プログラムのアンインストール手順は左記リンク先をご覧ください。

本不具合について、Microsoftは認識していないようで、既知の不具合にも記されていません。