MSI、AGESA 1.2.0.3e BIOS公開。TPM 2.0の脆弱性を修正。新しいRyzen CPUにも対応。Ryzen 9000Fシリーズか
MSIは、同社製AM5マザーボード向けに『AGESA 1.2.0.3e』(AGESA Combo AM5 PI 1.2.0.3e)を内包したBIOSアップデートを公開しました。
MSIは以下のように述べています。
当社(MSI)は、AMD AM5マザーボード(X870E、X870、B850、B840、X670E、X670、A620チップセット)向けにAGESA Combo AM5 PI 1.2.0.3e BIOS (以下、AGESA 1.2.0.3e BIOS)をリリースいたしました。 このBIOSアップデートでは64GB x4枚構成の大容量メモリに対応します。64GBメモリを4枚搭載した状態でも、システムは安定して6000MT/sというオーバークロック速度を実現でき、最大で6400MT/sも達成可能です。 また、2DPC 1R (1ランクの2枚挿し)構成でのパフォーマンスも最適化されており、Samsung製4Gx8チップ向けのオーバークロック強化も含まれています。 さらに、本BIOSには新しいCPUへの対応も含まれています。 AGESA 1.2.0.3e BIOSは一部のAM5 800シリーズチップセットマザーボード向けに提供を開始しています。その他のAM5マザーボードへも順次提供を予定しています。 ― MSI |
AGESA Combo AM5 PI 1.2.0.3e 内包BIOS
このBIOSには主に2つの注目点があります。
まず、このBIOSに内包されている『AGESA 1.2.0.3e』ですが、Ryzen 9000シリーズにおけるTPM 2.0の脆弱性が修正されています。Ryzen 9000シリーズをお使いの方はアップデートしておきたいところです。
そしてもう1つの注目点は『新しいCPUへの対応』。この『新しいCPU』というのが具体的に何なのかは言及されていません。『新しいCPU』と聞いてパッと思いつくところだとZen 5世代のAPU Ryzen 9000Gシリーズ(Gorgon Point)への対応(=そう遠くないうちにAMDから正式発表)を期待したいところですが、どうもそうではないようです。
中国語圏フォーラムChiphellのクーイーバオダローボ氏は以下のように述べています。
調べたところ、AGESA 1203eでは内蔵グラフィックス(iGPU)がない新モデルのRyzen 9000シリーズがサポートされていました。 ― Chiphell, クーイーバオダローボ |
クーイーバオダローボ氏によると、『AGESA 1.2.0.3e』ではiGPUがないCPU、つまるところRyzen 9000Fシリーズがサポートされている模様です。この情報が正しければそう遠くないうちにAMDからRyzen 9000Fシリーズ製品が発表されるでしょう。
『AGESA 1.2.0.3e』を内包したBIOSアップデートは、MSI公式Webサイト各マザーボードページのサポートセクションよりダウンロードができます。