【Windows11】 WindowsUpdate 2023年5月 不具合情報 - プレビューリリース KB5026436 [Update 2]

WindowsUpdate

Windows11 - WindowsUpdate

2023年5月24日にWindowsUpdateに配信されたWindows11 バージョン21H2用更新プログラムKB5026436の不具合情報です。

月例の翌々週以降に公開・配信される更新プログラムは『プレビューリリース』と呼ばれており、新たなセキュリティアップデートを含んでおらず、不具合の修正や機能改善のみの更新プログラムとなっています。特に問題がなければ次の月例に同梱されます。

『プレビューリリース』は文字通りに早期公開のプレビュー版なため、すぐにでも適用したい不具合の修正がない場合や、人柱になりたくない場合はスルーを推奨いたします。不具合の修正内容の詳細については各更新プログラムのリンク先よりご確認くださいませ。

以下、2023年5月24日に公開された更新プログラムの不具合およびその回避策・解決策になります。

更新履歴
① ファイルの保存やコピーが失敗する既知の不具合を加筆。 [2023/5/25]
② エクスプローラーのCPU使用率が下がらない既知の不具合を加筆。 [2023/6/23] [New]

Windows11 21H2用プレビューリリース: KB5026436

基本情報

KB5026436はWindows11 バージョン21H2用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。

この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。

▼機能改善や修正された不具合・更新プログラムのハイライト

  • 特定のアクションを実行するアプリケーションが動作しなくなる不具合を修正
  • 大きな再解析ポイントに影響する不具合を修正。NTFSを使用してアクセスすると、ブルースクリーンエラー(BSoD)が発生することがありました
  • Wi-Fiに自動的に接続する特定のプリンターにおいて、インストールが失敗する不具合を修正
  • 一部の多機能ラベルプリンターのインストールに影響する不具合を修正
  • 特定のプロセッサーを搭載した環境において、オーディオ再生に問題が生じる不具合を修正
  • Windowsファイアウォールにおいて、Captive Portal Addressesを選択した場合、すべてのCaptive PortalのIPアドレスに接続されない不具合を修正
  • Azure Active Directory (Azure AD)に参加している場合、Windowsファイアウォールが正しいドメインとプロファイルを適用できない不具合を修正
  • Windows11 Azure Virtual Desktop (AVD)にアップグレードしてサインインしたあと、サインアウト後に動作しなくなる不具合を修正
  • SMB共有フォルダーにアクセスできない不具合を修正
  • 予期しないパスワードの期限切れが通知される不具合を修正
  • Azure Virtual Desktop (AVD)を使用時、Local Security Authority Subsystem Service (LSASS)が動作しなくなる不具合を修正
  • タスクが失敗する不具合を修正
  • Storage Spaces Direct (S2D)クラスターに影響する不具合を修正。この不具合によりオンラインにならないことがありました
  • Windows PowerShellでクラス定義を含むファイルが失敗する不具合を修正
  • イベントビューアーにおいて、管理者以外のユーザーがアクセスできるイベントソースが制限される不具合を修正
  • IEモードサイトのタブ設定へのアクセスに影響する不具合を修正
  • ナレーターが「misspelled」「deletion change」「comment」などの単語のテキスト属性を正しく通知するようになりました
  • タスクバーの検索ボックスのユーザーエクスペリエンスとインタラクションを改善
  • 特定のモバイルプロバイダのInternational Mobile Subscriber Identity (IMSI)範囲を変更
  • Windowsのアクティベーションに関するインドのMicrosoftの電話番号を変更

不具合情報

KB5026436には以下の既知の不具合があります。

既知の不具合
不具合概要回避策

2023年3月29日公開のプレビューリリースKB5023774以降をインストールすると、ExplorerPatcherやStartAllBackなどのサードパーティ製のUIカスタマイズアプリを使用している環境において、Windowsが起動しなくなる恐れがあります。

ExplorerPatcherとStartAllBackは修正されたバージョンがリリースされています。これら2つのアプリは最新バージョンへとアップデートすることでこの不具合は発生しません。

そのほかのサードパーティ製のUIカスタマイズアプリを使用していて、この不具合やその他の問題が発生した場合は、使用しているアプリの開発元にお問い合わせください。

Microsoftは、この不具合をアプリ側で解決したとして2023年4月21日(現地時間)付けで『解決済み』としています。しかし、まだKB5026436のページに掲載されているため、注意喚起もかねて一応、当サイトでも掲載しています。(Microsoftの消し忘れということも考えられます。そのときは当サイトからも削除いたします)

新しい日本語IMEを使用していると、アプリケーションにおいて、ローマ字/カナ入力モードが自動的に切り替わらない場合があります。

開発者向け情報: アプリケーションが『ImmSetConversionStatus』関数、またはVK_KANAキーエミュレーションを使用している場合、この不具合の影響を受けます。

詳細は以下の記事参照。
新しいIMEにまた不具合。入力モードが自動で切り替わらない。対処方法あり

以下のいずれかの対処方法をご検討ください。

< 対処方法A >
手動で入力モードを変更する。

< 対処方法B >
以前のバージョンのIMEを使用する。『設定』 → 『設定の検索』に「日本語 IME の設定」と入力して『日本語 IME の設定』を開く → 『全般』 → 一番下の『以前のバージョンの Microsoft IME を使う』をオンに変更することでこの不具合を回避できます。

『以前のバージョンの Microsoft IME を使う』をオンに変更

2023年3月29日公開のプレビューリリースKB5023774以降をインストールすると、ファイルの保存やファイルコピーの際にエラーが発生したり、断続的に失敗する場合があります。この不具合はLarge Address Aware (LAA)とCopyFile APIを使用する32bitアプリケーションで発生する恐れがあります。特にネットワーク経由でファイルの保存やコピーをした場合、この不具合の影響を顕著に受ける恐れがあります。

32bit版のMicrosoft WordやMicrosoft ExcelといったMicrosoft Officeアプリは、この不具合の影響を受けて保存に失敗する場合があります。その際、「Document not saved」(ドキュメントを保存できませんでした)というエラーが表示される場合があります。

また、拡張ファイル属性を使用する一部の商用・企業向けのセキュリティソフトウェアを使用する場合、この不具合の影響を受ける可能性が高くなります。

詳細は以下の記事参照。
ファイルの保存やコピーに失敗する不具合。Windows10およびWindows11にて発生

この不具合は、Known Issue Rollback (KIR / 更新プログラムをアンインストールしなくても問題の部分だけをロールバックできる機能)を使用して修正されます。

一般的なPC環境や、企業や組織に管理されていないPC環境の場合、放っておいても最大で24時間以内に自動的に修正されます。PCを再起動すると、早く修正される場合があります。

企業や組織等で管理されているPCでは、以下の特別なグループポリシーをインストールして設定することで解決できます。

詳細は『グループ ポリシーを使用して既知の問題ロールバックを展開する方法』(日本語ページは機械翻訳で意味不明な箇所あり。英語ページはこちら)をご覧ください。

[New]

2023年5月10日以降にWindowsUpdateに配信された更新プログラムをインストールすると、エクスプローラー(explorer.exe)のCPU使用率が下がらなくなる場合があります。

この不具合が発生する手順は以下。

  1. 共有ファイルまたは共有フォルダを右クリックして『プロパティ』を開き、『セキュリティ』 → 『詳細設定』 → 『有効なアクセス』 → 『有効なアクセス許可の表示』を選択
  2. 「Computing effective access....」(有効なアクセスを計算しています)というメッセージが表示されますが、結果は表示されません
  3. 以降、エクスプローラーがCPUを使用し続ける場合があります。開いたウィンドウを閉じてもCPU使用率は下がりません
詳細は以下の記事参照。
エクスプローラーのCPU使用率が上がったまま下がらない不具合。Windows11およびWindows Server 2022にて発生。対処方法あり

この不具合が発生した場合、CPU使用率を下げるには以下のいずれかを行うようMicrosoftは案内しています。

  • PCを再起動する
  • 影響を受けているユーザーのサインアウトを行う (ロックさせるだけでは不十分です。必ずサインアウトをしてください)

現在、Microsoftは不具合の解決に取り組んでおり、2023年6月下旬には修正を予定しています。