MSI、Ryzen 7000X3Dシリーズの破損について発表。原因は過電圧の可能性

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AMD Ryzen 7 7800X3Dなどの3D V-Cacheを搭載したRyzen 7000X3Dシリーズが焦げて破損する問題について、MSIから発表がありました。以下、MSIの発表になります。

ここ最近、Ryzen 7000X3DシリーズCPUが破損するという報告がされていますが、これは異常な電圧に起因している可能性があります。Ryzen 7000X3Dシリーズは手動での電圧とクロックの調整には対応しておらず、PBO (Precision Boost Overdrive)でのオーバークロックのみに対応しています。

当社(MSI)は、過電圧になることを防ぎ、Ryzen 7000X3Dシリーズの損傷リスクを減らすために、BIOSとMSI Centerの両方にいくつかの制限を追加しました。

BIOSは、CPUの電圧を下げることができる負のオフセット電圧設定のみをサポートするようになりました。MSI Centerは電圧とクロックの直接的な調整を制限しました。これにより、過電圧によるCPUの損傷を防げます。

Ryzen 7000X3Dシリーズのパフォーマンスを向上させたい場合は、BIOSにEnhanced Mode Boostというオプションが用意されています。このオプションにより、PBOの設定を最適化し、手動で電圧を調整することなく、Ryzen 7000X3Dシリーズのパフォーマンスを向上させることができます。

[Source: MSI

MSIによると、CPUが破損するのは過電圧の可能性があるとのこと。MSIは電圧制限を施した各マザーボード用のBIOSを公開しており、以下のリンク先よりダウンロードができます。

マザーボードBIOSバージョン
MEG X670E GODLIKE7D68v151
MEG X670E ACE7D69v181
MPG X670E CARBON WIFI7D70v171
MAG X670E TOMAHAWK WIFI7E12v131
PRO X670-P WIFI近日公開
MPG B650 CARBON WIFI7D74v151
MPG B650 EDGE WIFI7E10v161
MPG B650I EDGE WIFI7D73v131
MAG B650 TOMAHAWK WIFI7D75v161
MAG B650M MORTAR WIFI7D76vA44
PRO B650-P WIFI7D78v151
PRO B650M-A WIFI7D77v181
PRO B650M-A7D77v181
PRO A620M-E7E28v121

ただ、あくまでも「可能性」であり、これが確固とした原因かどうかはまだ判明していないようです。これまでに出てきた破損報告は、Ryzen 7 7800X3DとRyzen 9 7950X3Dが定格使用、Ryzen 7 7700XがCurve Optimizerを-20にした低電圧化のみと、いずれも電圧を盛ったという報告はありません。

しかしながら、万が一に備えてBIOSのアップデートを行っておいて損はないでしょう。