新たな中国国産GPU/グラボ、正式発表!その性能は。Lisuan 7G100シリーズGPU『7G106』『7G105』を採用したLisuan eXtremeシリーズグラボ

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Lisuan 7G100シリーズGPU『7G106』『7G105』/Lisuan eXtremeシリーズグラボ

中国Lisuan Tech社(砺算科技)は、新たな中国国産GPU / グラボとなるLisuan 7G100シリーズGPU『7G106』『7G105』および『Lisuan eXtremeシリーズ』グラボを正式発表しました。

Lisuan 7G100シリーズGPU: 7G106
Lisuan 7G100シリーズGPU: 7G106

Lisuan 7G100シリーズGPUは、コンシューマー向けの『7G106』GPUと、プロフェッショナル向けの『7G105』GPUの2モデルを用意。中国国産GPUとしては初の6nmプロセスで製造され、アーキテクチャはLisuan Tech社独自のTrueGPUアーキテクチャを採用。

これらのGPUを採用したグラボを『Lisuan eXtremeシリーズ』(LXシリーズ)と名付けていますが、各GPUを採用したグラボごとのモデル名はまだ明らかにされていません。そのため、本記事では各GPU名で紹介いたします。

Lisuan eXtremeシリーズグラフィックスカードLisuan eXtremeシリーズグラフィックスカード

Lisuan eXtremeシリーズグラフィックスカード
Lisuan eXtremeシリーズグラフィックスカード

コンシューマー向け『7G106』GPU

まず、コンシューマー向けの『7G106』GPUですが、DirectX 12、Vulkan 1.3、OpenGL 4.6、OpenCL 3.0といった主要なAPIに対応しています。ただ、レイトレーシングには非対応です。

現在わかっている主な仕様は192TMU、96ROP、12GB GDDR6 128-bit、PCIe 4.0 x16、DisplayPort 1.4 x4 (HDMIはありません)、補助電源は8ピン x1。消費電力は明らかにされていませんが、8ピン1本150W + PCIeスロットからの給電75Wで、最大でも225W以内に収まることになります。その他の仕様としてはAV1、HEVCデコードに対応。

興味深い点としては、レンダリング品質を動的に最適化するNRSSという技術に対応しており、NVIDIAのDLSSやAMDのFSRにも匹敵するとされています。

そして最も気になるであろう、『7G106』のベンチマークテスト結果は、Geekbench OpenCLが11290ポイント、3DMark Steel Nomadが2256ポイント、3DMark Fire Strikeが26800ポイント。

7G106 GPU: 3DMark Steel Nomad 2256ポイント7G106 GPU: 3DMark Fire Strike 26800ポイント

Lisuan Tech社の内部関係者の話によると、同社製グラボはNVIDIAのGeForce RTX 4060に競合するといわれています。『7G106』とGeForce RTX 4060とを比較すると以下。

ベンチマーク7G106RTX 4060
Geekbench111290101028
Steel Nomad22562250~2300
Fire Strike2680028000~28500

『7G106』はGeForce RTX 4060よりGeekbench OpenCLで約10.15%高いスコアを見せています。3DMarkに関しては、Steel Nomadは同等なものの、Fire StrikeではGeForce RTX 4060より約6%低いスコアとなっています。

上記3つのベンチマーク結果だけを見れば『7G106』はGeForce RTX 4060とほぼ同等クラスの性能と言えそうです。

では、実際のゲーム性能はどうでしょうか。

Lisuan Tech社によると、『Shadow of the Tomb Raider』1080p最高画質設定で平均80 fps以上、『明末:ウツロノハネ』1080p高画質設定で平均70 fps以上、『黒神話:悟空』1080p高画質設定で平均70 fps以上出せるとされています。

7G106 GPU: 『Tomb Raider』1080p最高画質 平均80 fps以上7G106 GPU: 『明末』1080p高画質 平均70 fps以上

7G106 GPU: 『黒神話:悟空』1080p高画質 平均70 fps以上
7G106 GPU
『黒神話:悟空』1080p高画質 平均70 fps以上

ただ、他社製グラボとの比較はされていないため、NVIDIAやAMDなどのグラボだとどの辺に位置するゲーム性能なのか推し量ることはできません。

今後、より具体的な比較・ベンチマーク対決の公開が待たれます。

プロフェッショナル向け『7G105』GPU

プロフェッショナル向け『7G105』GPUは、『7G106』の2倍のVRAM容量となる24GBのECC対応GDDR6を搭載。FP32の最大演算性能は24TFLOPSとされています。

このほか、仮想GPU機能にも対応しており、最大で16基の仮想GPUとして利用できます。

『7G105』と『7G106』のスペック
『7G105』と『7G106』のスペック

量産スケジュール、発売日、販売価格、グローバル展開について

これら『7G106』『7G105』GPUを搭載したLisuan eXtremeシリーズは、2025年8月にサンプルの提供を開始し、2025年9月より量産予定。

発売日や販売価格、グローバル展開も考えられているのかは明らかにされていません。

Lisuan Tech社のコメント

Lisuan Tech社は以下のように述べています。

これらのGPUは、3年以上にわたって努力を注いで開発された製品です。ゲーマーの皆様にはパワフルで快適なエンターテインメント体験を、コンテンツクリエイターやプロフェッショナルなワークステーションユーザーの皆様には滑らかで快適な作業体験をもたらします。また、メタバースやデジタルツインの分野においても、没入感あふれるリアルな未来体験をもたらします

― Lisuan Tech

Posted by にっち