Windows回復環境でマウスとキーボードが動作しない不具合。2025年10月のWindows Update後に発生。Windows11 25H2 / 24H2にて。KB5067039 / KB5066835が原因。回避策あり [Update 3: 修正]

Windows11 25H2およびWindows11 24H2環境において、Windows回復環境(Windows RE / WinRE)でマウスとキーボードが動作しなくなる不具合が発生しています。
| 更新履歴 [記事初公開日: 2025/10/17] ① 記事下部に『対処方法・回避策2』項目を加筆。 [2025/10/17] ② Microsoftが本不具合を認めました。それに伴い記事タイトル・内容を若干改訂したほか、記事最下部に『Microsoftが不具合を認める』項目を加筆。また、当初、この不具合はKB5066835が原因ではないと述べていましたが、これは誤りでした。すみません。Windows11におけるWindows回復環境用更新プログラムKB5067039は、累積更新プログラムKB5066835を通じてインストールされます。そのため、どちらも原因と言えます。 [2025/10/19] ③ 記事最下部に修正情報を加筆。 [2025/10/21] [New] |
Windows Update後からWindows回復環境でマウスとキーボードが動作しない [2025/10/19]
Windows11 25H2 / Windows11 24H2 / Windows Server 2025環境において、日本時間で2025年10月15日の月例Windows Update適用後から、Windows回復環境でマウスとキーボードが動作しなくなるという不具合が発生しています。
Windows回復環境とは、Windows上で[SHIFT]キーを押しながら再起動するか、Windows起動中に強制的に電源オフを2回繰り返すことで入れる以下の画面です。
2025年10月15日の月例Windows Updateをインストールすると、この画面でマウスとキーボードが動作しなくなる場合があります。
この不具合は、Windows回復環境のバージョン10.0.26100.6891にて発生します。2025年10月15日にリリースされたWindows回復環境用更新プログラムKB5067039がインストールされると10.0.26100.6891へとバージョンアップされます。Windows11におけるWindows回復環境用更新プログラムは、累積更新プログラムを通じて同時にインストールされる仕様です。つまり、KB5067039は、2025年10月15日のセキュリティ更新プログラム、KB5066835とともにインストールされます。そのため、原因はKB5067039 / KB5066835のどちらにもあると言えます。
なお、この不具合は必ず発生するわけではありません。PC環境によって発生したり、しなかったりします。具体的な発生条件は不明です。筆者の場合、2台中1台が発生しました。
▼不具合が発生したPC
- Windows11のシステム要件を満たしたPC
- TPM 2.0有効、セキュアブートオン
- Core i9-10900K
▼不具合が発生しなかったPC
- Windows11のシステム要件を満たしていないPC
- TPM 2.0非対応、セキュアブートオフ
- Celeron G1620
Windows11のシステム要件を満たしたPCでは発生しましたが、Windows11のシステム要件を満たしていないPCでは発生しませんでした。要件を満たしていないPCの方が正常に動作するとはなんとも皮肉なものです。(といっても、本不具合にTPM 2.0とセキュアブートは関係ないものと思われます。発生したPCでTPM 2.0とセキュアブートを無効にしてWindows回復環境を起動してみましたが、マウスとキーボードは動作しないままでした)
また、当サイト宛てに以下の4台中3台で本不具合が発生したとのご報告をいただきました。
- Windows11 25H2 Z690 + Core i9-12900KF: 不具合発生
- Windows11 25H2 Z790 + Core i9-14900KF: 不具合発生せず
- Windows11 24H2 B760M + Core i5-13400F: 不具合発生
- Windows11 24H2 B760M + Core i3-14100: 不具合発生
対処方法・回避策1
この不具合の一時的な対処方法・回避策としては、Windows回復環境のファイル『Winre.wim』を古いバージョンのもの(10.0.26100.6891より前)へと置き換えることでマウスとキーボードが動作するようになります。
- 不具合が発生するバージョン
- 10.0.26100.6891
- 2025年10月15日 Windows回復環境用KB5067039 (セキュリティ更新プログラムKB5066835とともにインストール)
- 10.0.26100.6891
- 不具合が発生しないバージョン
- 10.0.26100.6713 (1つ前)
- 2025年9月30日 Windows回復環境用KB5066687 (プレビューリリースKB5065789とともにインストール)
- 10.0.26100.5059 (Windows11 25H2のISO)
- 10.0.26100.6713 (1つ前)
ただ、古いものへと置き換えたことで、PCに何かしらの不具合や不都合が生じても筆者は責任を負いません。正規の対処方法ではないため自己責任にて行ってください。
どうしても緊急にWindows回復環境を使用する必要がない限り、Microsoftが修正するのを待つことを強くおすすめいたします。
『Winre.wim』を置き換える手順は以下。ちなみに結構面倒です。2025年10月15日のWindows Update前の環境があれば楽です。とりあえず一通り読んでみてください。
1.)
MicrosoftからWindows11 25H2のISOをダウンロードして、Rufus等でインストールメディアを作成してください。
2.)
インストールメディア内の『sources』フォルダを開いて、『install.wim』をどこか任意の場所に保存してください。
3.)
7-Zipを使って、『install.wim』を任意の場所に『展開』してください。展開が完了したら『1\Windows\System32\Recovery』にある『Winre.wim』を任意の場所に保存してください。この抽出した古い『Winre.wim』へと置き換えます。(バージョン10.0.26100.5059)
4.)
コマンドプロンプトを『管理者として実行』で起動して、以下のコマンドを実行してください。
reagentc /disable |
このコマンドを実行すると、Windows回復環境が無効になります。Windows回復環境が無効になると、『C:\Windows\System32\Recovery』に『Winre.wim』が表示されるようになります。表示された『Winre.wim』は念のためにバックアップを取っておいてください。
5.)
『3.)』で抽出した古い『Winre.wim』を、『C:\Windows\System32\Recovery』に上書きしてください。
6.)
再びコマンドプロンプトで、以下のコマンドを実行してください。
reagentc /enable |
このコマンドによりWindows回復環境が有効になります。Windows回復環境が有効になると、『Winre.wim』が表示されなくなりますが、これは正常の挙動です。
これでWindows回復環境が古いバージョンへと置き換わり、Windows回復環境でマウスとキーボードが動作するようになります。
2025年10月15日のWindows Update前の環境があれば、『1.)』『2.)』『3.)』をスキップして、Windows Update前の環境で『4.)』を行えば、楽に古い『Winre.wim』を入手できます。
対処方法・回避策2 [2025/10/17]
もう1つの回避策が見つかりました。それは、マウスとキーボードをPS/2コネクタ(PS/2ポート)に接続することです。PS/2マウス、PS/2キーボードだと動作します。USBからPS/2コネクタへの変換アダプタをかましたUSBマウスでも動作しました。
マザーボードにPS/2コネクタがある場合はこの方法で本不具合を回避できます。
(ただ、昨今のマザーボードは、ほとんどPS/2コネクタがついていませんが……)
Microsoftが不具合を認める [2025/10/19]
Microsoftが本不具合を認めました。Microsoftは以下のように説明しています。
Windowsのセキュリティ更新プログラムKB5066835をインストールすると、Windows回復環境(WinRE)でUSBキーボードやUSBマウスといったUSB機器が動作しなくなります。この不具合により、Windows回復環境内の回復オプションを操作・選択できなくなります。なお、この不具合はWindows回復環境内だけで発生し、通常のWindows OS上では引き続きUSB機器が動作します。 現在、この不具合の解決に取り組んでおり、近日中に修正をリリースする予定です。 ― Microsoft |
この不具合は近日中に修正が予定されているため、お困りの方は、今しばらくお待ちいただくことをおすすめいたします。
修正 [2025/10/21] [New]
Microsoftが本不具合を修正しました。詳細は以下の記事をご覧ください。



























