Radeon PRO W7600にブラックスクリーンの不具合。原因はサーマルパッド。品質管理に問題ありか

RADEON

AMD Radeon PRO W7600

AMDのワークステーション用グラフィックスカードRadeon PRO W7600で、ブラックスクリーンが発生するとの不具合報告が出ています。海外メディアのVideoCardzが報じました。

igor’sLABがAMD Radeon PRO W7600の不具合を報じた。Radeon PRO W7600を使用していると、液晶モニターがブラックスクリーン(真っ黒)になるという。igor’sLABがブラックスクリーンの原因を調査したところ、Radeon PRO W7600のオーバーヒートに起因していたことが判明した。

分解したRadeon PRO W7600
分解したRadeon PRO W7600

オーバーヒートに至る原因は、VRAMに使用されている硬くて厚いサーマルパッドだった。使用されているサーマルパッドは熱伝導率が低く、また、その厚みのため、ベイパーチャンバーに歪みが生じて適切に冷却できていない可能性があった。

薄くて柔らかいサーマルパッドへと変更し、サーマルペーストも塗り替えたところ、ブラックスクリーンは発生しなくなったという。

以下はFurMarkでのストレステスト結果だ。前者がサーマルパッド変更前、後者がサーマルパッド変更後だ。

FurMark: サーマルパッド変更前。6分も経たずにブラックスクリーン
FurMark: サーマルパッド変更前
6分も経たずにブラックスクリーン

FurMark: サーマルパッド変更後。ブラックスクリーンは発生せず、6分後も2時間後も同じ温度だったという
FurMark: サーマルパッド変更後
ブラックスクリーンは発生せず
6分後も2時間後も同じ温度だったという

ほかのカードでも同様にこの不具合が発生するのか、それともigor’sLABのカードでたまたま発生したレアケースなのかはわからない。いずれにしても、このような不具合は発生すべきではない。

igor’sLABの行った修理は保証が無効になるため、普通のユーザーが行うべきではない。しかし、RMAを行うと、その間、カードを使用できないことも問題だ。AMDがこの問題に気づいていれば、このような事態は防げたはずだ。

[Source: VideoCardz

igor’sLABはAMDに対して「品質管理を怠っている」と批判しています。過去にはRadeon RX 7900 XTXのベイパーチャンバーにも不良が見つかって問題になりました。igor’sLABの言うように、たしかに品質管理に問題がありそうです。

RDNA3

Posted by にっち