【Windows10】 WindowsUpdate 2022年8月 不具合情報 - プレビューリリース KB5016688 [Update 2]

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2022年8月27日にWindowsUpdateに配信されたWindows10用更新プログラムKB5016688の不具合情報です。

月例の翌週以降に公開・配信される更新プログラムは『プレビューリリース』と呼ばれており、新たなセキュリティアップデートを含んでおらず、不具合の修正や機能改善のみの更新プログラムとなっています。特に問題がなければ次の月例に同梱されます。

『プレビューリリース』は文字通りに早期公開のプレビュー版なため、すぐにでも適用したい不具合の修正がない場合や、人柱になりたくない場合はスルーを推奨いたします。不具合の修正内容の詳細については各更新プログラムのリンク先よりご確認くださいませ。

以下、2022年8月27日に公開された更新プログラムの不具合およびその回避策・解決策になります。『.NET Framework』など、その他の更新プログラムやWindows Server固有の不具合は割愛しています。

更新履歴
① チリのサマータイム変更に伴う既知の不具合を加筆。[2022/9/7]
② デスクトップやタスクバーが一瞬消えたり、PCが応答しなくなる既知の不具合を加筆。 [2022/11/18] [New]

Windows10 21H2 / 21H1用プレビューリリース: KB5016688

基本情報

KB5016688はWindows10 バージョン21H2 / 21H1用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。

この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。

▼機能改善や修正された不具合・更新プログラムのハイライト

  • 2022年6月3日公開のプレビューリリースKB5014023以降をインストールした環境において、Microsoft EdgeのIEモードタブが応答しなくなる不具合を修正
  • ライセンスの問題で一部のゲームのインストールに失敗することがある不具合を修正
  • 検索アプリのジャンプリストアイコンの色に影響する不具合を修正
  • PCをシャットダウンまたは再起動したときに、0x1Eエラーが発生する場合がある不具合を修正
  • リモートで言語や言語関連機能を追加できるようになりました4
  • 特定の条件下でサブスクリプションのアクティブ化に失敗する不具合を修正 (※何のサブスクの話かは不明。おそらくMicrosoft Storeで購入した製品の話と思われます)
  • 仮想化されたApp-V Microsoft Officeアプリケーションを開けない、または動作しなくなる不具合を修正
  • PCをリセットした後、特定の状況でWindows Hello for Businessの証明書の展開が失敗する場合がある不具合を修正
  • BitLockerのパフォーマンスを低下させる不具合を修正
  • フルスクリーンアプリケーションにおける集中モードの不具合を修正
  • サポートドライバの入力と出力に影響し、システムが応答を停止する場合がある不具合を修正

不具合情報

KB5016688には以下の既知の不具合があります。

既知の不具合
不具合概要回避策

Windows10 バージョン21H2 / 21H1 / 20H2 / 2004に搭載されている新しい日本語IMEを使用していると、アプリケーションにおいて、ローマ字/カナ入力モードが自動的に切り替わらない場合があります。

開発者向け情報: アプリケーションが『ImmSetConversionStatus』関数、またはVK_KANAキーエミュレーションを使用している場合、この不具合の影響を受けます。

詳細は以下の記事参照。
新しいIMEにまた不具合。入力モードが自動で切り替わらない。対処方法あり

以下のいずれかの対処方法をご検討ください。

< 対処方法A >
手動で入力モードを変更する。

< 対処方法B >
以前のバージョンのIMEを使用する。『設定』 → 『設定の検索』に「日本語 IME の設定」と入力して『日本語 IME の設定』を開く → 『全般』 → 一番下の『以前のバージョンの Microsoft IME を使う』をオンに変更することでこの不具合を回避できます。

『以前のバージョンの Microsoft IME を使う』をオンに変更

カスタムオフラインメディアまたはカスタムISOイメージからWindows10をインストールした環境だと、この更新プログラムによってMicrosoft Edge Legacyが削除されても、新しいMicrosoft Edgeに自動的に置き換えられない場合があります。

この不具合は、カスタムオフラインメディアまたはISOイメージが、2021年3月29日以降にリリースされたスタンドアロンのサービススタック更新プログラム(SSU)を最初にインストールせずに、この更新プログラムをイメージにスリップストリームして作成された場合にのみ発生します。

なお、WindowsUpdateに直接接続して更新プログラムを受信するデバイスは影響を受けません。これにはWindows Update for Businessを使用しているデバイスも含まれます。

この不具合を回避するには、最新の累積更新プログラム(LCU)をスリップストリームする前に、まず2021年3月29日以降にリリースされたスタンドアロンのサービススタック更新プログラム(SSU)をカスタムオフラインメディアまたはISOイメージにスリップストリームしてください。

1. 以下のコマンドでmsuからcabを抽出します。(KB5000842での例)

expand Windows10.0-KB5000842-x64.msu /f:Windows10.0-KB5000842-x64.cab <保存先のパス>

2. 以下のコマンドでcabからSSUを抽出します。

expand Windows10.0-KB5000842-x64.cab /f:* <保存先のパス>

3. これでSSU cab『SSU-19041.903-x64.cab』が作成されます。このファイルを最初にイメージスリップストリームして、次にLCUを入れてください。

カスタムメディアを使用してOSをインストールした際にこの不具合が発生した場合は、新しいMicrosoft Edgeを直接ダウンロードして手動インストールすることで、この不具合に対処できます。新しいMicrosoft Edge for businessを広範囲に展開する必要がある場合は、『ビジネス向け Microsoft Edge をダウンロードして展開する』を参照してください。

2022年6月29日公開のプレビューリリースKB5014666以降をインストールすると、XPSビューアーでXPSファイルやOXPSファイルが開けない場合があります。この不具合は、ファイル内の言語が日本語や中国語の場合に発生します。

この不具合が発生すると、XPSビューアー内に「このページを表示できません」というエラーが表示されたり、CPU使用率が高くなったり、メモリ使用量が増加し続けることがあります。

このエラーが発生したあともXPSビューアーを起動しっぱなしにしていると、メモリ使用量が最大2.5GBに達したあと、XPSビューアーが終了する場合があります。

詳細は以下の記事参照。
XPSファイルが開けない不具合。Windows10およびWindows11で発生。2022年6月以降のWindowsUpdateが原因

一時的な対処方法として、KB5014666以降の更新プログラム(プレビューリリース、セキュリティ更新プログラム)をアンインストールすることで、XPSファイルおよびOXPSファイルを開けるようになります。

アンインストール手順の詳細は左記の記事をご覧ください。

2022年7月27日公開のプレビューリリースKB5015878以降をインストールした一部環境において、サウンド・オーディオ機能やマイク機能に以下のような不具合が発生する場合があります。

  • 音が出ない
  • 音が小さくなる
  • マイクが動作しない
  • デフォルト設定のオーディオが変わる
  • サウンド・オーディオ・ミキサーの設定がリセットされる
詳細は以下の記事参照。
KB5016616に、音が出ない・小さくなるなどの不具合。オーディオ機能やマイクに異常

まずは、『スタートボタン』 → 『Windows システム ツール』 → 『コントロール パネル』 → 『サウンド』から、お使いのオーディオデバイスの音量設定や各種設定がリセットされていないか、『既定のデバイス』として設定されているかをご確認ください。音量や各種設定が変わっている場合は手動で調整を、『既定のデバイス』から外れている場合は『既定のデバイス』へと設定してください。ステレオミキサーを使っていた方は、ステレオミキサーが無効になっていないかもご確認ください。

また、特定のアプリ(例えば、OBSなどの配信ソフトやDAW等)で音がおかしい場合は、アプリのサウンド設定をご確認ください。今まで使っていたオーディオデバイスとは別のデバイスが設定されている可能性がありますので、再設定してください。

もし、再設定も上手くいかないような特殊なアプリの場合は、アプリの再インストールをお試しください。

上記方法で直らない場合は、『オーディオ拡張機能を無効にする』を参照の上、オーディオ拡張機能の無効化をお試しください。

これまで、チリでは2022年9月4日からサマータイムが始まっていましたが、2022年は日本時間で9月11日AM00:00より始まります。この変更に伴って、以下の不具合が発生する場合があります。

  • Microsoft TeamsやOutlook、その他、クラウドサービス、時間の通知、お使いのアプリなどが60分ずれる場合があります
  • スケジュールされたタスクが予定された時刻に実行されない場合があります
  • 時間に依存する操作・ログイン・アクセスなどに失敗する場合があります

上記は主にチリ国内のWindows PCで想定される不具合ですが、チリ国外であってもチリにあるサーバーやPCに接続したり、オンラインでチリと何かしらのやり取りを行っていると上記のような不具合が発生する場合があります。

詳細は以下の記事参照。
チリのサマータイム変更により不具合発生の恐れ。チリ国外でもチリにアクセスする場合に影響。サポート中のすべてのWindowsが対象

この不具合の回避策として、チリにお住まいの方はこちらのページを参考に、サマータイム開始まで一時的に『夏時間に合わせて自動的に調整する』をオフにするなど手動で設定するようMicrosoftは案内しています。(あくまでチリ国内向けのため、チリ国外の方は行わないでください)

Microsoftは不具合の解決に取り組んでおり、今後のリリースで修正を予定しています。

[New]

Windows10 バージョン22H2 / 21H2 / 21H1環境において、デスクトップやタスクバーが一瞬消えたり、PCが応答しなくなる場合があります。

この不具合は、2022年8月27日公開のプレビューリリースKB5016688以降をインストールした環境で発生します。

詳細は以下の記事参照。
デスクトップやタスクバーが消えたり反応しなくなる不具合。Windows10で発生

この不具合は、Known Issue Rollback (KIR / 更新プログラムをアンインストールしなくても問題の部分だけをロールバックできる機能)を使用して修正されます。一般的なPC環境や、企業や組織に管理されていないPC環境の場合、放っておいても最大で24時間以内に自動的に修正されます。PCを再起動すると、早く修正される場合があります。

企業や組織等で管理されているPCでは、以下の特別なグループポリシーをインストールして設定することで解決できます。

詳細は『グループ ポリシーを使用して既知の問題ロールバックを展開する方法』(日本語ページは機械翻訳で意味不明な箇所あり。英語ページはこちら)をご覧ください。