600Wが450Wに。ASUS、ROG THOR 1000W Platinum IIの12ピン仕様を静かに書き換える

電源

ASUS ROG THOR 1000W Platinum II (ROG-THOR-1000P2-GAMING)

ASUSの1000W電源『ROG THOR 1000W Platinum II』(ROG-THOR-1000P2-GAMING)は、PCIe 5.0対応が謳われており、付属する12ピンコネクタは最大600Wと喧伝されていました。しかし、ASUSは、その記述を変更しました。

左は2021年11月時点で最大600Wと記載。右は2022年2月時点で最大450Wと記載
左は2021年11月時点で最大600Wと記載。右は2022年2月時点で最大450Wと記載 [Source: VideoCardz

2021年11月時点では製品ページに最大600Wと記されていたのが、2022年2月時点では最大450Wへと書き換わっています。いったいなぜこんなことになっているのか。

12ピンコネクタには2つの接続方法があります。1つは12ピンコネクタのみ。もう1つは12+4ピンコネクタ。海外メディアのVideoCardzによると、後者の4ピンは、データ信号のやりとりで使用し、この4ピンのうちの1つ、S3 (SENSE0)が接続されていないと12ピンは450Wを超えて給電ができないそうです。

PCIe 5.0 12+4ピンコネクタ仕様

  • 12ピンオンリー: 最大450W
  • 12+4ピン: 最大600W

しかし、『ROG THOR 1000W Platinum II』は12ピンのみでも600Wと記されていたことから、SENSE0信号が12ピン内に取り込まれているのではないかと思われていました。結局のところ、そんな実装はされておらず、最大600W対応というのはASUSの勘違いで最大450Wに留まる模様です。

今のところ600Wも使用する12ピン接続のグラボはないため、この仕様変更(と言っていいのかは疑問)の影響を受けることはありません。しかし、そういう問題ではなく、600Wと喧伝しておいて、実は450Wだったというのは、問題があるのではないでしょうか。

例えば、将来的に超電力食いのモンスターグラボに備えて購入した人や、そういったグラボでのオーバークロックを考えて600W給電を期待して購入した人は、この仕様変更をどう感じるでしょうか。

ASUSは、本件をサイレント修正に留めず、しっかりと詳細を発表すると共に、もし、知らずに購入して納得がいかなかった人がいた場合には真摯な対応をしてもらいたいものです。

Posted by にっち